2016 Fiscal Year Research-status Report
ドイツの就学義務制度と親支援に関する法制論的・実証的研究
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26780427
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Research Institution | Hakuoh University |
Principal Investigator |
荒川 麻里 白鴎大学, 教育学部, 准教授 (20389696)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 就学義務 / ドイツ / 親 / 就学年齢 / 親権 / 幼稚園 / 小学校 / 義務教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究「ドイツの就学義務制度と親支援に関する法制論的・実証的研究」の目的は、ドイツの就学義務制度における親支援の全体像を解明することにある。この目的達成のために5つの課題を設定し、平成28年度は全課題の収集データのとりまとめに努めた。各課題の成果は次の通りである。 課題1:各州の就学義務法制の全体構造およびその改正動向:常設文部大臣会議事務所(ボン)所有の第2次世界大戦後の連邦教育政策に関する会議資料を中心に、制度設計の根拠を整理した。 課題2:就学義務制度改革とりわけ早期入学導入のための改正点とそれに伴う問題点:連邦全体における早期入学導入は、バーデン・ヴュルテンベルク州の議論がターニングポイントとなった。州公文書館所有資料および親へのインタビューデータより現在に至る入学手続きの実態を整理した。 課題4:入学前に親に求められる家庭教育および就学猶予の条件:就学前診断手続きの詳細について小児科医に対するインタヴュー調査を実施し、ドイツ全州に共通する制度の概要をまとめた。 課題5:就学前教育機関と学校とのアーティキュレーションの具体的な方法:就学前教育機関でのインタビューにより、入学先および入学時期の決定はほとんどの場合、親・就学前教育機関担当者・医師の面談等による手続きの詳細が明らかとなった。親支援のアーティキュレーションについては、社会教育機関における相談や支援事業の役割が大きく、この点を踏まえた全体像の把握が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の目的を達成するための5つの課題いずれにも取り組み一定程度の成果は得られたものの、諸事情により必要な調査の一部を延期することとなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
就学義務を履行する子どもおよび親に対する社会教育支援に関する調査を実施し、研究成果をまとめる予定である。
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Causes of Carryover |
諸事情により必要な調査を延期せざるを得ず、次年度に実施するため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査旅費として次年度に使用する。
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