2016 Fiscal Year Annual Research Report
The Emergence of Yogo Kundo and establishment of the training system
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26780428
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
七木田 文彦 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (40431697)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 教育衛生 / 養護実践 / 専門職 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度の研究成果として、2017年3月に仙台市で開催された第14回日本教育保健学会にて、「教育保健学のカリキュラムデザイン」と題して研究発表を行った。また、同年3月に刊行された日本教育保健学会年報第24号に「「教育保健学」の系譜とカリキュラムデザイン : 臨床からの体系化・構成試案」の論文を投稿し、掲載された。 同研究内容は、養護訓導・養護教諭の量的拡大過程とともに一般教員の健康・身体についての教養が停滞した事実を確認しながら、養護訓導・養護教諭といった専門教員の誕生と関わって、教職員組織が日本独自の発展をとげていたことをを明らかにした。 このような専門職の発展をとげた背景には、明治期以降、学校における就学率の向上を図るために、学校病の予防と治療等を学校において担うといった考え方が底流に流れていた。つまり、身体の管理的、保護的側面を学校看護婦が担い、その後に教育といったワードをまといながら、教育職員として指導にあたるために養護訓導といった専門職が誕生した。これまでその背景には諸説あり、なかでも第二次世界大戦下の栄養問題、身体虚弱問題、身体管理問題が重視されていたが、明治期以降の思想や制度をコンテクストで分析するならば、以上のように、専門職の誕生は、時宜を得た改革の一端であったことがわかる。このような内容について、実証を行いながら論文の内容として執筆した。 また、同雑誌にもうひとつの論文「養護実践にみる教育保健機能の検討」が掲載された、同論文は、共同研究でありながらも、一部本研究成果を掲載しており、先の論文成果と同様の研究成果を発表している。 また、研究の実績は戦時下・戦後教育改革期にとどまらず、今日に至る養護教諭の職制運動やその背景にある本質的課題に接続しながら、今日的課題として議論を行った。
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