2014 Fiscal Year Research-status Report
新教育における学級観と学級経営に関する比較教育史的研究
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26780431
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
遠座 知恵 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (20580864)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 学級観 / 学級経営 / プロジェクト・メソッド / 北澤種一 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、わが国では学級崩壊などの教育問題の浮上とともに、教師による学級経営の指導力が求められている。本研究は、こうした現代的課題に対して歴史的示唆を提示することを目的として、比較研究の視点から新教育が形成した学級観や学級経営論の特質、その実践の具体相を明らかにすることを課題としている。このような課題に基づいて、平成26年度は、以下4点の調査・分析を進めた。 第一に、先行研究を収集・検討し、アメリカにおけるデューイ理論受容のヴァリエーションを検討するとともに、各地の実験学校における教育理念と学級観、学級経営の実践の特質を検討した。 第二に、アメリカにおける新教育の動向を報じたThe Elementary School JournalやTeachers College Rrecord、Progressive Education、ヨーロッパにおける新教育の動向を報じたThe New Eraなどの各種教育雑誌の関連記事を調査した。 第三に、日本における学級経営史の蓄積と限界について整理を行った。 第四に、日本側の事例として、東京女子高等師範学校附属小学校や成城小学校に関する史料調査を行った。二つの事例のうち、東京女子高等師範学校附属小学校に関しては、①主事である北澤種一の欧米視察の意義や帰国後に彼が附小で進めた改革の実態、②北澤の学級観と学級経営論の特質、③1920年代後半の附小における研究態勢の実態について明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は当初計画していた史料収集や・分析をほぼ遂行することができ、その成果の一部に関して学会発表や論文執筆のかたちでに公表することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、まず平成26年度の研究成果のうち公表していたないものを論文にまとめるとともに、収集した史料のうち未だ読み込みの不十分なものを分析していく。 なお、平成27年度における研究計画の変更点としては、間もなく産休を取得する予定であることから、当初予定していた調査や学会発表などが遂行できない可能性が想定される。平成27年度中に遂行できない課題に関しては、平成28年度以降の計画を見直すことで極力遂行できるように調整したい。
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Research Products
(3 results)