2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research on teacher evaluation system in the U.S.
Project/Area Number |
26780443
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
藤村 祐子 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (80634609)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 教員評価 / 職能開発 / アメリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
アメリカの教員評価制度は、連邦による外圧的統制を受け学力成果に基づく教員評価制度の導入が進む一方で、教員の専門的・共同的な学びを媒介とする教員の自律的専門職化を目指す動きも見られる。このような状況の中,本研究は、アメリカ合衆国を対象に、教員評価制度改革の可能性と課題を明らかにすることを目的とした。これまでに,1)連邦政策によって示された「学力成果に基づく教員評価制度」について、①アメリカ全体の導入状況を明らかにし、教員評価制度の規格化の実態を検証し,②州レベルにおいてどのように運用されているのか、具体的な運用実態を解明した。そして,2)「教員の専門性を確保する教員評価制度」に着目し、研究グループなどの示す報告書をもとにその理念や特徴を明らかした。そして,最終年度では,具体的にどのように導入・展開されているのか、ミネソタ州に焦点をあて、その運用の実態を探った。そこで,①これまでの教員評価制度改革において教員評価制度の有する「総括的評価機能の限界性」が認識されており,反対に「形成的評価機能の可能性」が期待され,形成的評価機能を活用した評価システムを構築していたこと,②「学力成果」を教員間の共同的な学びの「共通言語」として活用していたこと,③教員評価制度を通して,管理職以外の多様な評価者が評価活動に関与することで,学校組織の柔軟化が図られていたこと,④管理職が,教員評価制度を,学校改善のツールとして捉えていたこと,などが明らかになった。 これらの研究成果は,『米国公立学校教員評価制度に関する研究』(風間書房)として発表した。
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