2015 Fiscal Year Research-status Report
ドイツにおける非行青少年への保護と教育に関する歴史研究
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26780446
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
杉原 薫 鹿児島大学, 学術研究院法文教育学域教育学系, 講師 (60610897)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 教育史 / 福祉 / 青少年 / ドイツ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、19世紀後半から20世紀前半のドイツ(プロイセン)で繰り広げられた「青少年教護」を取り上げ、荒れた生活環境にあり、罪を犯したり、不良化する虞のある青少年と対象とした保護と教育がどのように行われていたのかについて女性社会福祉職の活動に焦点を当てて考察することである。 この目的を達成するために、平成27年度に取り組むことを予定していた課題は、以下の三点である。一点目は非行青少年が置かれた状況、非行青少年とみなされた根拠、女性社会福祉職が非行青少年に対して行った保護と教育の内実を明らかにするために史料・研究文献の収集およびその検討を進めること。二点目は、非行青少年が置かれた状況、非行青少年とみなされた根拠について明らかにし、女性社会福祉職が非行青少年に対して行った保護と教育の内実の検討に向けた方向づけを行うこと。三点目は、研究の中間まとめをし、学会で報告すること。 以上三点のうち、一および三点目に関しては計画通り実施することができた。二点目に関しては、非行青少年が置かれた状況と彼らが非行青少年とみなされた根拠に関する検討が不十分であった。しかしながら、28年度に主に取り組む予定であった女性社会福祉職が非行青少年に対して行った保護と教育の内実については当初の計画よりも深く検討することができている。検討した結果、女性社会福祉職はその他の職種(青少年育成者や社会教育士)とは異なり、義務教育年齢段階の子どもの健全な育成に尽力し、不良化を未然に防ぐために孤児や被虐待児の救済に取り組んだことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初示した平成27年度の研究計画の一部は遅れているが、28年度に取り組む予定であった計画を前倒しておこなうことができているため。 具体的には、非行青少年が置かれた状況と彼らが非行青少年とみなされた根拠に関する分析が不十分であったが、次年度に取り組む予定であった女性社会福祉職が非行青少年に対して行った保護と教育の内実に関する検討は進んでいる。ただ、遅れている内容に関しても該当する史料の読解は進めているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に十分に進めることのできなかった課題について引き続き検討を進めるとともに、これまでの研究を取りまとめて学術論文として発表する。
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