2015 Fiscal Year Research-status Report
韓国における結婚移住女性の定住戦略と地域多文化教育のモデル構築に関する研究
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26780450
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
金 侖貞 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 准教授 (40464557)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 多文化教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は文献研究及び政策研究を中心に行った。文献研究においては、結婚移住女性の定住戦略に関する文献の中で主に二重言語講師についての研究のレビューを行った。韓国の場合、日本と違って結婚移住女性たちを「人材」として積極的に活用していく視点が強く、それが政策の柱の一つにもなっている。彼女たちがどのようなプロセスの中でそういったキャリアを選択することとなるのかなどについての研究が韓国ではいくつか見られ、本研究の定住戦略の一つとして位置づけられる二重言語講師についての文献レビューを実施した。さらに、国際結婚が公論化してから10年の歳月が過ぎ、国際結婚家庭の「離婚」の問題に関わる研究も見られ始め、そういった関連文献の収集及びレビューを行った。国際結婚10年という時間的な軸が結婚移住女性に関する研究の論点にも影響していることが見て取れる。 それに加え、政策研究においては、結婚移住女性の「自立」を支援するための政策にいかなるものがあるのかを整理した。韓国の場合、結婚移住女性が経済的な役割を担う必要が多く、就業中心の自立支援によってかえって地域から乖離が生じる可能性もあると思われる。それが、都市部と農村部においてどのように違う様相として成り立っているのかは、来年度以降の課題となるが、そのような「自立」や「定住」が、地域多文化教育とどのような関係性を持ち、地域の中で現れてくるのか、来年度以降の研究に反映していきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画を立てた当時は、2015年度にサバティカルの予定であったことから、現地調査を2015年度の計画として予定していたが、サバティカルが1年遅れたことから、2016年度に集中的に現地調査を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度は課題開始から3年目となり、また、1年間現地調査が可能となることから、集中的に関連機関の調査や当事者インタビューを行う予定である。
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Causes of Carryover |
2015年度に予定していたサバティカルが1年延期となり、現地調査の旅費として予定していた研究費の支出ができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度は1年間サバティカルの予定であり、ソウルを拠点としていることから、2015年度にできなかった現地調査を集中的に行うことが可能である。
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