2017 Fiscal Year Annual Research Report
Educational practice research in Colonial Korea
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26780455
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
山下 達也 明治大学, 文学部, 専任准教授 (00581208)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 植民地教育 / 植民地朝鮮 / 教育実践研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度となる平成29年度はおもに植民地朝鮮において行われた「教育実践研究」の内容・特徴と実際の教育実践内容との関係性についての調査・分析を行うとともに,これまで行ってきた研究のまとめることに注力した。 前者については,『朝鮮の教育研究』等,教育関係雑誌に発表された「教育実践研究」の内容が必ずしも現場での実践と密接な関わりを持ったものばかりではなかったことを明らかにした。雑誌に発表される「教育実践研究」の多くは朝鮮の初等学校において課題となるものを取り上げ,「研究」したものであったが,その成果を踏まえた実践が可能であるのは,例えば京城師範学校附属学校のような一部の学校に限られるものも多く,その他の大多数の学校では課題の次元が異なっているケースが散見された点は,当時の学校教育の実態を窺わせる知見であった。 後者については,1~4年目で行った研究の成果を整理し,植民地朝鮮における教育政策の展開と「教育実践研究」の介在という大きなテーマにそくして得られた知見をまとめた。本研究は、植民地朝鮮において政策レベルで決定した教育内容が学校での実践に至る過程に介在した教員の「研究」活動に着目することで、従来、朝鮮総督府による教育政策の内容・変遷のみによって捉えられがちであった植民地教育の特徴を、学校や教員という現場の視点から再検討することを目的として行ったものであった。「教育実践研究」についての調査・分析を行った結果として,政策史だけでは捉えられない教員の解釈,葛藤,実践内容について明らかすることができ,植民地教育の展開の実態について独自の視点から新たな知見を加えることができた。 今後,4年間の研究の成果を報告書にまとめ公表する予定である。
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