2016 Fiscal Year Research-status Report
保育カンファレンスが保育者の「同僚性」に与える効果の縦断的追跡研究
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26780462
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Research Institution | Hyogo University Junior College |
Principal Investigator |
黒澤 祐介 兵庫大学短期大学部, 短期大学部, 講師 (40633631)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 保育カンファレンス / 保育者 / 同僚性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、9月に公立保育士約400名にアンケート調査を実施した。また、保育カンファレンスについては、対象を減らし実施した。これは、一昨年まで保育カンファレンスを継続することによってうまれた、同僚性をはぐくみ、保育者の満足感を高めるなどの効果が、保育カンファレンスの実施を減らしても各園の風土として根づいていくのか、つまり保育カンファレンスのの恒常的な効果を検証した。 アンケート調査の結果からは、保育カンファレンスをこれまで実施していた保育所において、保育カンファレンスの頻度を減らすと、同僚性や満足感などが低下していき、保育カンファレンスを行っていない保育所と同等になっていった。つまり、保育カンファレンスは、園内の同僚性や、保育者の仕事の満足感を高めるのだが、その効果は保育カンファレンスを継続的に実施していかなければならないことが明らかになった。 また、保育カンファレンスを実施すると、保育者の子どもに対する悩みが高まっていたのだが、保育カンファレンスの頻度を減らすと、悩みは軽減した。しかし、子どもについての悩みが軽減すると同時に、園内でのチームワークや、保育の仕事に対する満足度も低下した。これは、保育という仕事の本質が、自らの保育について省察的にふりかえることにあることがその原因であると考えられる。つまり、保育者が子どものことについて悩むことは、ネガティブな側面だけでなく、それを契機として、同僚性を高め、同僚との協同的な保育の実施により、仕事への満足感も高まっていると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アンケート調査が予定よりも遅れた時期に実施となってしまった都合上、研究の総まとめの分析が年度内に行えなかった。 その他はおおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、これまで3年間のカンファレンス、アンケート研究の結果を縦断的に分析する。また、その結果について、報告書等で発表していく。
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Causes of Carryover |
当初予定よりアンケート調査の時期がずれ、総まとめの分析と報告書の発行が年度内でできなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度に報告書を作成することで使用します。
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