2016 Fiscal Year Annual Research Report
A Sociological Study of Support that Provides "Ibasho" for People with Developmental Disorder
Project/Area Number |
26780473
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
御旅屋 達 東京大学, 社会科学研究所, 助教 (10646558)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 発達障害 / ひきこもり / 自立支援 / 居場所 / アイデンティティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,成人発達障害者への支援,特に就労支援の前段階ともいえる,当事者へ「居場所」を提供する支援(フリースペース,ミーティングなど)の現状を調査し,居場所提供型支援の発達障害当事者にとっての機能・課題を検討することにある。3年間のプロジェクトの最終年度にあたる平成28年度の課題は,以下のような形でまとめられる。 ①フィールドワーク,インタビュー調査の継続:本研究においては発達障害に特化したタイプの支援団体,特に発達障害に特化しない若者自立支援団体の2つのフィールドにおいて調査データを蓄積してきた。本年度は特に後者において, 支援者,利用者,元利用者のインタビューを実施した。支援者からは主として支援機関における障害認定のプロセスについて,利用者からは主として就労後の生活についてのデータを入手した。 ②データの分析:上記のデータをとりまとめ,障害に特化しない若者支援機関から障害者就労に向けての移行プロセスのなかで「障害」がいかなる形で理解されているか分析作業を行った。この作業を通して「障害」を疑われる者の存在による支援現場への影響や,若者支援機関における「障害」に対する当事者の意味付与の条件やプロセスなどが明らかになってきた。 ③成果報告:分析結果の一部は,ウィーン大学で開催された International Sociological Association Third ISA Forum of Sociology において "Role of Spaces as Support for Social Inclusion of Youths in Japan" という題目で研究報告を行った。 また,成果報告できていないデータが存在するため,その部分について継続的に論文の執筆作業を行った。これらについては平成29年度中の刊行を目指している。
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