2018 Fiscal Year Annual Research Report
The Curriculum Development for Environmental Literacy in Social Studies
Project/Area Number |
26780491
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
宮崎 沙織 群馬大学, 教育学部, 准教授 (90591470)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 社会科教育 / 環境教育 / システム思考 / 地理教育 / アメリカ合衆国 / カナダ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、アメリカ合衆国の環境リテラシー論を導入した社会科の新しい環境学習カリキュラムを構築することを目的としている。環境リテラシーとは、知識・スキル・感性・行動を含めた環境教育で獲得すべき目標概念のことを指す。 最終年度にあたる本年度は、中等社会科における環境リテラシー育成のフレームワークの提案を行った。特に、中等地理教育における地域学習や現代社会の諸課題学習を中心とし、自然環境との共生・調整を目指した社会科教育のあり方を考察した。 中等段階では、環境リテラシー育成のために、社会構造やパラダイムを把握することや、地域の諸課題解決に主眼を置いた取り組みが中心となることを明らかにした。地理教育では、場所で生じている問題に着目し、その事象がどのように社会構造と関連しているのかを考察することで、問題が生じている背景としての社会構造を把握し、それを解決するための新たな社会構造の在り方を思考することの重要性をしめした。特に、地理教育で環境リテラシーを育成するためには、場所の特性を追究することが重要である。問題が生じている場所の追究を行うことで、自然環境と共生できない社会構造を把握し、共生を目指した社会構造に調整をはかれるような解決策を考えることが、環境リテラシー学習として重視されるのである。 以上を通して、日本の社会科環境リテラシー学習は、自然環境との共生・調整を目指し、自然環境と人間社会との関係性を読み解き、社会構造の在り方を考えることを通し、実践していくことを最終結論とした。今後の課題としては、環境リテラシー学習について、実証的に検証していくことが必要である。そのためにも、各校種の実践校との連携が求められる。
|