2015 Fiscal Year Research-status Report
家庭科に対する「学習レリバンス」の構造と規定要因にみる男女共修家庭科の意義と課題
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26780493
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
藤田 智子 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (40610754)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 家庭科教育 / 男女共修 / 学習レリバンス / 男女共同参画社会 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、家庭科教育に対する「学習レリバンス」(学習にどのような意味や意義を感じているか)の構造と規定要因、さらに「学習レリバンス」と継続的な学習意欲との関連を明らかにする。それを通し、家庭科男女共修の意義を改めて問うとともに、生徒にとって意義のある家庭科の授業に必要な要素を検討することが目的である。 平成27年度は、昨年度行ったインタビュー調査を基に分析モデルを構築し、アンケート調査を実施した。対象者は、大学での専攻で比較するため、教育学部家庭科専攻、教育学部家庭科以外の専攻、家政学・生活科学部、その他の学部の4つのカテゴリーで選定した。 教育学部生および家政学・生活科学部生に対しては、対象者が限られることから、大学の教員に協力を依頼し実施した。教員を通して質問紙を配布し、授業時及び個別に回収した(調査期間:2016年1月~2月)。配布数は1008名で有効回答数は946名であった(有効回答率93.8%)。その他の学部生に対してはweb調査を行った(調査期間:2016年2月9日~12日)。メール配信数4665名、有効回答数336名、有効回答率7.2%であった。有効回答のうち、専攻と性別が不明な者を除いた1270名を分析の対象とした。 その結果、家庭科に対する学習レリバンスについては、「好きだ」と「そう思う・どちらかといえばそう思う」割合は全体で約85%だったが、「そう思う」割合が、家庭科専攻の学生は約8割、家政学・生活科学部生は約5割、家庭科以外の専攻とその他の学部生は約3割であった。「役に立つ」と「そう思う・どちらかといえばそう思う」割合は全体で約90%だったが、「そう思う」割合は、家庭科専攻の学生で高く、その他の学部の者は低かった。 平成28度は、引き続き調査結果の分析を進めるとともに、これらの結果を学会発表や論文発表等で公表していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度に実施したインタビュー調査の結果を踏まえ、平成27年度は、計画通りアンケート調査を実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
交付申請書の計画通り、平成28年度は、質問紙調査の分析を行う。また、研究成果は、適宜学会等での発表及び学術雑誌への論文投稿を進める予定である。
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Causes of Carryover |
国際学会参加にかかる費用に充てる予定であったが、締切の延長があったこともあり、手続きの上で、次年度での予算処理となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額については、国際学会参加にかかる費用として使用する。 また、当初の予定通り、分析を進めるために必要な人件費や、学会発表等の旅費や発表登録費および参加費等への使用を予定している。
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