2016 Fiscal Year Annual Research Report
Significance and issues of coeducational home economics from the viewpoint of the structure of relevance for home economics education
Project/Area Number |
26780493
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
藤田 智子 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (40610754)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 家庭科教育 / 男女共修 / 学習レリバンス / 男女共同参画社会 / 家事 / ジェンダー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、家庭科教育に対する「学習レリバンス」(学習にどのような意味や意義を感じているか)の構造と規定要因、さらに「学習レリバンス」と継続的な学習意欲との関連を明らかにする。それを通し、家庭科男女共修の意義を改めて問うとともに、生徒にとって意義のある家庭科の授業に必要な要素を検討することが目的である。 平成28年度は、27年度に行った質問紙調査(調査期間:2016年1月~2月、有効回答数:1,270名)のデータ分析を中心に行った。家庭科の学習レリバンスについて、現在的レリバンスは約85%の者が、将来的レリバンスは約90%の者が肯定的に捉えていた。大学での専攻による違いを比較したところ、特に教育学部家庭科専攻の学生の学習レリバンスは非常に高かったが、家庭科専攻以外の学生や、家政学・生活科学系の学生はさほど高くなかった。学生が家庭科で学んで面白いと思ったこととして、調理実習と被服製作と答えた者が多く、家計管理、働くことや将来設計、高齢者については、あまり面白いと思われていなかった。役に立つと思っていることは、調理実習、栄養素、衣服の手入れが多く、家計管理や働くことや将来設計、家族関係、住生活、環境に配慮した生活は、役に立つと思う者が少なかった。 家庭科の学習レリバンスの規定要因として、家庭科の学習経験が影響しており、多様な領域を多様な学習方法で学んでいた場合、学習レリバンスが高いことが明らかになった。また、現在的レリバンスにはジェンダー意識が関連しており、ジェンダーバイアスのかかった意識が低いほど、「家庭科は面白い」と思っていた。 これらの成果は、国際家政学会及び日本家庭科教育学会にて発表し、報告書にまとめた。アジア家政学会でも発表が決定している。
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