2015 Fiscal Year Research-status Report
通常学級に在籍する児童の聞き障害の評価―テクノロジーを用いた聞きやすさの調整―
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26780515
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平林 ルミ 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教 (30726203)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 聞き障害 / ANC技術 / 発達障害 / 効果評価 / 質問紙 |
Outline of Annual Research Achievements |
読み書きの困難さを主訴として相談に訪れた児童・生徒のうち,音への過敏性や雑音下での聞き取りに困難を示すかどうか,ヒアリングを行い,困難を示す事例に対しノイズキャンセリングヘッドフォンを代表とするANC技術(アクティブ・ノイズ・コントロール技術)およびFM補聴システムを適用した。また,実際に学校でノイズキャンセリングヘッドフォンを使用している事例に対してインタビューを行い,ノイズキャンセリングヘッドフォンを学校で使うことによりどのような効果があるのか,その効果の聞き取りを行った。 さらに,学校への不適応を主訴とする小学校1年生から高校3年生までの児童・生徒187名を対象として日常生活において聞こえの困難を感じるかどうか質問紙による予備調査を行い,聞こえの困難をあぶり出す質問紙を作成のための項目選定の参考にした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
聞き障害を検出するための質問紙の作成を課題としている。2015年度は2014年度に作成した質問紙を用いて,実際に特異的困難のある子どもたちを対象として予備調査を行うことができた。また,聞こえに特異的な困難を感じている事例に対してケーススタディを行うことも課題となっているが,今年度は読み書きに困難をもちながら,聞こえにも特異的な困難のある事例に対し,ANC技術を適応したのちにどのような効果があったのかをヒアリングすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
予備調査によって明らかとなった質問紙の改善点を修正し,通常学級にどの程度聞こえの困難を有する児童が存在するのか,調査を行う。また,聞こえに特異的な困難のある児童・生徒のケーススタディの数を増やし,通常学級の中でANC技術およびFMシステムの適用を行い,その教育的効果を検証する。
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Causes of Carryover |
研究計画に変更が生じたため実験用機材として購入予定であったオージオメーターの購入を取りやめ,聞こえの困難を補償するためのFM補聴システムを購入したことから,差額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度に購入した聞こえの困難を補償する機材(ANC,FM補聴システム)を実際の事例に試用し,効果の高い製品を追加購入し,聞こえに困難が生じている児童・生徒の学校生活に適用する。
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Research Products
(5 results)