2014 Fiscal Year Research-status Report
ガレクチンネットワークによるAGE代謝制御機構の解明と診断への応用
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26790026
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
宮西 伸光 東洋大学, 食環境科学部, 准教授 (80372720)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 相互作用解析 / ガレクチン / AGE / バイオセンサ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画の主題は、AGE関連疾患の克服をめざした、ガレクチンネットワークによるAGE代謝制御機構の解明および新規診断法の開発である。ガレクチンネットワークとAGE代謝制御機構の全貌の解明を行うために、様々な分子形態を有するガレクチン群と各種糖鎖群を配置したマイクロチップを作成し、AGE代謝に深く関与しているレクチンや糖鎖の網羅的相互作用解析を展開する。さらにガレクチンネットワークを介したAGE群の詳細な挙動解析を指標としたAGE関連疾患診断用バイオセンサチップの開発を行う。 ガレクチン3は、各種AGEのうちカルボキシエチルリジン-AGEと強い相互作用を有する事を既に明らかにしているが、さらに様々な構造を有するAGEとの相互作用解析を行った結果、グリセロアルデヒド-AGEに対し強い相互作用を示す事が示された。また、ガレクチン3は、カルボキシエチルリジン-AGEやメチルグリオキサール-AGEとは相互作用を示さない事から、ガレクチン3は、AGEの糖領域とタンパク質領域の両方のある特定の構造を特異的に認識している事が示唆された。ガレクチン3がAGEのどの領域を優先的に認識しているかについては、グリセロアルデヒド-AGEの糖化領域であるグリセロアルデヒドと、メチルグリオキサール-AGEの糖化領域であるメチルグリオキサールはどちらも炭素数が3であるものの、メチルグリオキサールのケト基や水酸基の数などの化学構造がグリセロアルデヒドのそれとは異なることから、ガレクチン3はこれらの構造の違いを厳密に認識している事が明らかになった。また、解糖系においてメチルグリオキサールは反応副生成物として生成され、解糖系のメインストリームから外れている事から、メチルグリオキサール-AGEはガレクチン3のターゲットとはなり得ないということが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に進めたガレクチン3とAGEに関する親和性解析については、既に学会発表を行っており、論文投稿の準備が進んでいる。また、各種ガレクチンとAGEとの相互作用に関する研究については、ガレクチン3がAGEの糖領域の構造を厳密に認識する事が示され、さらにAGEのタンパク質領域と糖領域の両方を認識することで初めてAGEと相互作用することを初めて見出している。研究を開始して1年が経過したが、次年度の研究計画を展開するための研究結果が上がっており、総じて「おおむね順調に進展している」と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
ガレクチン3と各種AGEとの相互作用解析について、AGEの詳細な化学構造と相互作用特性に関するエビデンスを得る事ができたため、今後は当初の計画通り、AGEに付加した糖領域の構造がガレクチン3とAGEの相互作用の阻害物質になりうるか、さらにはAGE受容体複合体形成とガレクチンネットワークとの関係を明らかにしていきたい。また、これらの分子間ネットワークを搭載したマイクロチップを作成することで、AGE関連疾患因子とガレクチンネットワークの挙動解析が可能な診断用マイクロチップへと研究を進展させていきたい。
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Research Products
(5 results)