2014 Fiscal Year Research-status Report
新規光シート顕微鏡を用いた真核細胞内の1分子蛍光イメージング手法の開発
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26790027
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
西村 和哉 独立行政法人理化学研究所, 生命システム研究センター, 特別研究員 (50643186)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生物物理 / 光シート顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
1分子蛍光イメージングはタンパク質の直接観察することによって、タンパク質の運動、局在、相互作用を定量的に評価でき、あらゆる生命の現象の理解につながると期待されている。しかしながら、計測可能な細胞、タンパク質の種類には限りがある。本研究では厚みのある真核細胞全体を 1 分子計測できる系の開発を行う。平成26年度は研究代表者が開発した新規の光シート顕微鏡でモデル真核細胞である出芽酵母内にあるタンパク質の1分子レベルでの定量化を実施した。これまでは出芽酵母では自家蛍光を有しており通常の蛍光タンパク質ではシグナルが自家蛍光につぶれてしまう問題と、1細胞全体を計測した場合従来の落射蛍光顕微鏡では観察面以外にも励起光があたり蛍光タンパク質が退色する問題があった。自家蛍光について、黄色蛍光タンパク質(Venus)を4分子連結させ、さらに出芽酵母の細胞膜上にあるアンカータンパク質とタンデム化を行うことで自家蛍光に対して十分なシグナルを得ることができた。退色について、観察面を選択的に励起できる光シート顕微鏡の用いることによって、酵母内にあるタンパク質を1分子レベルで定量化に成功した。また、新規開発した光シート顕微鏡では従来の光シート顕微鏡より、サンプルの自由度が高く、1度に複数のサンプルを計測することが可能あり、複数の酵母の遺伝子発現の時間変化を計測した。その結果、タンパク質発現に時間的に揺らいでいるだけでなく、一過的に大量のタンパク質を発現していることが複数の遺伝子で行っていることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は本研究では厚みのある真核細胞全体を 1 分子計測できる顕微鏡の開発、真核細胞内を 3 次元的に自由拡散している分子定量化を目的としている。本年度の研究では、モデル真核細胞である出芽酵母について、細胞膜に局在するタンパク質を1分子レベルで細胞全体にあるタンパク質の量を計測することに成功している。細胞全体を計測できるシステムを開発できていることから、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度までに、酵母内の遺伝子発現量を局在はさせるとこによって1分子レベル計測することができた。研究目的では拡散している分子の計測をゴールとしており、計画通りに自家蛍光と蛍光分子の区別する方法に、自家蛍光の波長特性を利用した分離 、光スイッチ付き蛍光プローブを用いる方法を検討していく。
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Causes of Carryover |
学会発表にかかる旅費を予算を計上したが、研究の進捗を考慮して取りやめた。その他に資料・書籍購入費を計上したが、今年度には書籍等の購入はなかった。このため差が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予定している光学素子の購入と学会参加費に充てる。
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Research Products
(1 results)