2014 Fiscal Year Research-status Report
イオン伝導顕微鏡による液中環境下での高速3次元ナノイ メージング技術の開発
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26790048
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
渡邉 信嗣 金沢大学, バイオAFM先端研究センター, 助教 (70455864)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 走査プローブ顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
SICMの高速走査化を達成するには、プローブ-試料間距離の制御信号であるイオン電流の検出速度と検出感度の向上、プローブを高速で走査するためのスキャナの開発が必須となる。平成26年度は、上記の開発を行った。イオン電流に関しては、主として、プローブの形状制御や濃度勾配イオン電流検出を開発し、検出感度を従来の50倍程度に向上した。また、イオン電流検出器の詳細なノイズ解析を行い、電流ノイズを従来の5分の1程度に低減した。これらの成果によりイオン電流検出帯域を従来の100倍程度となる400kHzまで広帯域化し、SICMイメージングを安定して行うことに成功した。また、高速スキャナに関しては、適切なプローブ固定手法を探索し、Z方向変位6μmかつプローブ固定時のZ方向の共振周波数が100kHzを超えるスキャナを開発することに成功した。加えて、スキャン時の10kHz以上に発生する高周波ノイズを抑える技術を開発したことにより、このスキャナと開発した高感度プローブを用いて、従来の100倍以上の速度で高速にSICMイメージングをできることを実証できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度に計画したことを全て達成できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、平成26年度の成果をもとに、特許取得、論文発表を進める。開発した高速SICMに適したイメージングアルゴリズムの開発を進め、高速SICM装置として組み上げる。また、高速走査時のイオン電流が、従来見られない挙動を示すことがあるため、この原因を調べることを計画している。
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Causes of Carryover |
プローブとなるガラスピペットの作成装置が故障し、修理する必要があったが、修理費が想定よりも少額であったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
修理費を確保するために、平成26年度は試薬類の消耗品の購入を抑えていたが、想定よりも少額で済んだために、これらの購入に充当する予定である。
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