2014 Fiscal Year Research-status Report
パルス捕捉現象による非線形光ループミラーを用いた光サンプリング技術の開発
Project/Area Number |
26790060
|
Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
白木 英二 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 助教 (70633147)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 超短パルス / 光ファイバー / 光スイッチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、パルス捕捉現象による非線形光ループミラー(NOLM)を用いた全光型の光サンプリング技術の開発を行った。 本年度はまず、数値解析により、ファイバー長やパルス波形・強度に対する出力特性の変化を明らかにした。ファイバーループ長10mの非線形光ループミラーを構築し、時間幅220fs,パルスエネルギー140pJ、波長1560nmの制御パルス光を用いれば、1ps,1560nm信号パルス光をサンプリングし、波形の再構築を行えるという結果を得た。時間波形と共に、パルスの瞬時波長も得ることができた。これによりパルスのチャープを測定できると考えられる。 次に、提案する光サンプリングに使用するNOLMや光源を実際に構築した。数値解析より得られた結果をもとに、偏波保持型の分岐カプラや低複屈折性の偏波保持光ファイバーを使用してサニャック干渉計を構築した。ファイバー型素子をコネクタ接続することにより、提案する非線形光ループミラーを完成させた。また、測定のために、2波長・2超短パルス光を出力する、波長可変・超短パルス光源を構築した。波長の異なる2つの超短パルス光を生成し、これらを信号光および制御光として利用した。信号光と制御光の間のタイミングはミラー等の空間光学系を用いて調整した。 作成した実験系を用いて、提案するパルス捕捉現象によるNOLMを用いた全光型の光サンプリングの実証を行った。2パルス光のタイミングを変化させて、NOLM出力端における信号光の光スペクトルを測定した。光スペクトルから得られる出力パルスのピーク強度をタイミングごとに並べて波形を再構築した。この再構築した波形から入力波形が予測できることからサンプリング動作を得られたと考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パルス捕捉現象による非線形光ループミラー(NOLM)を用いた光サンプリング技術の開発を行うことを目的としている。H26年度の予定通り、数値計算により、提案するデバイスの特性を解析することができた。また、数値解析で得られた結果から、デバイスの設計を行い、実際にデバイスを構築することができた。実験により、ファイバーループ長16mの非線形光ループミラーを用いて、数十psの広いパルスに対して全光サンプリング動作を確認することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
H27年度は、開発した全光サンプリング技術において自動計測を行う。これまで手動で行ってきた遅延線の調整と測定データの取得を自動化する。これにより、入力波形のサンプリング計測を自動で行い、高精度な観測を可能にする。また、入力波形と本手法で得られたサンプリング波形の比較を行う。 実験と数値解析から得られた特性を比較し、超高速なサンプリング動作において最適となる、ファイバー長やパルス波形・強度を明らかにする。
|
Research Products
(2 results)