2015 Fiscal Year Annual Research Report
高密度イオン軌道ベクトル制御プラズマによる高速・高アスペクト比エッチングの創成
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26790066
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
本村 大成 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 製造技術研究部門, 研究員 (00635815)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | プラズマ / エッチング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、シリコン基板に微細な回路パターンを製作する際に多用されるプラズマエッチングにおいて、エッチング速度を50um/minに高速化させ、またアスペクト比が>2.5(=50um/20um)の深く細いエッチング孔形状を実現することである。実現時には、製作が難しいとされてきたシリコン貫通電極の高速製作が可能になり、多層化集積回路(3D-IC)が量産可能になってくる。3D-ICを用いると高速、省電力、省スペース化が実現できるため、国内半導体産業に貢献できる重要な取り組みであり意義がある。 両立が難しいとされる「高速化」と「高アスペクト比」を備えるエッチングを実現するために、「ヘリコン波共振プラズマ生成法」と「イオン軌道ベクトル制御法」を融合した新規手法を用いる。ヘリコン波共振条件を満足するためには、分散関係を満たすために、外部磁場、励起周波数および境界条件を制御する必要がある。またイオン軌道ベクトルを制御するためには、ヘリコン波励起のために用いる外部磁場コイルおよび基板裏面に永久磁石を用いることにより、基板表面の法線方向と平行な外部磁場を発生させることが必要である。 本研究期間の具体的な目標として、プラズマ密度1立方cmあたり10の12乗の達成および、アスペクト比2以上のエッチング孔の実現を掲げた。ヘリコン波共振条件を満足する際に観測される密度の急増現象である密度ジャンプを観測し、目標のプラズマ密度およびヘリコン波共振プラズマ生成を実現できた。テストエッチングを行い、シリコンエッチング速度~6.0um/minを得た。エッチング時の実験条件はSF6(0.2Pa)、投入電力500Wである。アスペクト比2以上を得るエッチング条件を見出したが、高速かつ高アスペクト比の両立を実現するプロセスの実現は今後の課題であるので、高ガス圧力運転の検討などを行って実現を目指す。
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Research Products
(3 results)