2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a contact grating device for intense terahertz pulse generation
Project/Area Number |
26790073
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉田 芙美子 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 学術支援専門職員 (30450422)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | テラヘルツ波 / 透過型回折格子 / 高屈折率材料薄膜 / ファブリーペロー共振器 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,非線形結晶内の光整流作用により生じるテラヘルツ(THz)光の高強度化を目指し,回折格子と非線形結晶が一体となった透過型回折格子をもつ新デバイスの開発および作製である.前年度までに,回折効率を上げるための2種類のデバイスの考案と設計・作製を行った.2種類のうちの1つは高い屈折率の薄膜を非線形結晶上に作製し,そこに回折格子を作る方法,もう一方は,薄膜間の光干渉を利用しファブリーペロー共振器の原理を応用したデバイスである.昨年度までにこれらのデバイスでTHz波を発生させ詳細なデバイス評価を行い,ファブリーペロー型のデバイスについては評価結果をデバイスの原理と合わせて国際学会と論文に発表した. 平成28年度は,高屈折率材料の新デバイスについて平成27年度に得られたテラヘルツ波発生試験とデバイスの特性評価を踏まえて成果を論文にまとめた.また数値計算を行い,得られた実験結果の解釈をはかった.このデバイスの特徴としてポンプ光の回折効率がほとんど入射角度に依存しないことが挙げられるが,この利点を活かしテラヘルツ波発生の位相整合条件を実験により精査した.この実験結果を解析するため,数値計算により入射角度によるテラヘルツ波の発生効率を詳細に計算し,得られた実験結果との整合性を得た.位相整合許容角度がおよそ5度と比較的広いこと,また発生するテラヘルツ波の周波数帯域がポンプ光の入射角度により低周波数側へシフトすることなどを実験および数値計算から確かめることに成功した.以上の成果を論文にまとめ,発表した.
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