2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26790082
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
礒島 伸 法政大学, 理工学部, 准教授 (90422394)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 超離散化 / 可積分系 / パンルヴェ方程式 / 非線形バネ方程式 / 交通流モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
線形バネ方程式に3次の非線形項を取り入れた非線形バネ方程式は,従属変数の4次式で表される保存量を持ち,解が楕円関数を用いて記述できることが知られている.この方程式の符号付き超離散類似を構成し,その解を研究した.その結果,周期解の存在と,複雑な挙動を示す解の存在が明らかになった.また,保存量の超離散類似についても研究し,それが実際に保存量になる場合とそうでない場合があること,それぞれの場合と前述の解の挙動には対応関係があることが明らかになり,この意味で超離散バネ方程式の解と保存量の分類を与えることができた.この結果について,学会で共同口頭発表を行った.今後,この成果を論文としてまとめる予定である. 可積分系の理論を応用し,ある交通流モデルの時間離散化とその特殊解を与え,学会・研究集会で発表した.今後,得られた離散モデルのより複雑な特殊解の導出や数値解析,また超離散類似の構成と厳密解の導出・数値解析などの研究を進め,交通流モデルとしての妥当性を検証していく予定である. 符号付き超離散パンルヴェIII型方程式の特殊解に関する研究を以前より進めていた.連続系・差分系では,この特殊解は行列式を用いて表示できることが知られており,本研究はその超離散類似の構成に取り組んだものである.この結果をまとめ直し,論文として投稿した.査読者から好意的なコメントが得られており,論文誌への掲載が認められるものと思われる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
非線形バネ方程式とその保存量の符号付き超離散化を研究し,解と保存量の関係を考察した.この研究により,符号付き超離散化の有用性と限界について新たな知見を得た. 研究を進めていた符号付き超離散パンルヴェIII型方程式の特殊解に関する研究成果を論文として投稿し,査読者から好意的なコメントを得たため,掲載が認められるものと思われる.この研究成果発表に時間を要したため,一般の行列式の符号付き超離散化に関する研究についてはやや進捗が遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
非線形バネ方程式の符号付き超離散化に関する研究成果を論文にまとめることを目指す.研究計画に挙げた,行列式の符号付き超離散化とその可積分系への応用について,「超離散行列式」の基本性質を研究すると共に,パーマネントの可積分系への応用に関する先行研究と比較を行い,一定の知見を得ることを目指す.
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Causes of Carryover |
現在投稿中の論文について,査読者から好意的なコメントを得ており,掲載が決定するものと考えている.当該論文が掲載決定となったとき,オープンアクセス化に要する費用がやや高額であり,これに使用するために繰り越すこととした.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在投稿中の論文が掲載決定となったとき,オープンアクセス化に要する費用の一部として使用する.費用は30万円前後であり,次年度使用額は使い切る見込みである.
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Research Products
(4 results)