2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study of delta-vectors of normal integral convex polytopes by means of algebraic and combinatorial methods
Project/Area Number |
26800015
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
東谷 章弘 京都産業大学, 理学部, 助教 (60723385)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 整凸多面体 / 正規性 / δ列 / 正則単模三角形分割 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は、正規整凸多面体のδ列の代数的および組合せ論的側面からの考察である。具体的には2つの研究課題を設定している。1つ目は、正規反射的凸多面体のδ列のunimodal性の証明、2つ目は、正規性凸多面体のδ列の特徴付けである。 平成28年度は平成27年度までに行った研究を継続して行い、ミンコフスキー和の正規性について考察した。d次元整凸多面体は(d-1)倍以上に膨らませると常に正規になることが知られているが、その結果をミンコフスキー和について一般化した。つまり、十分多くのミンコフスキー和を取ると常に正規なることを証明した。さらに、次数付き環に対して重要な概念である"level"と呼ばれる性質に関しても同様の性質を証明することに成功した。 さらに、"free sum"と呼ばれる操作で整凸多面体の正規性がどう変化するかを考察し、2つの整凸多面体のfree sumが正規になる必要十分条件を与えることに成功した。2つの整凸多面体のδ列からfree sumのδ列を計算することができるので、本研究課題に直接関連した研究成果であると言える。 他にも、整凸多面体の正規性と密接に関連した性質である"正則単模三角形分割"の存在についても考察した。具体的には、正の整数kに対し、(2k-1)次元空単体でδ列に関して特殊な性質を満たすものPをk倍に膨らませたものkPの正則単模三角形分割の存在を議論するため、kPのトーリックイデアルのグレブナー基底を考察し、結果として、kPが正則単模三角形分割を持つ必要十分条件を与えることに成功した。
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