2016 Fiscal Year Research-status Report
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26800022
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
宮内 通孝 岡山大学, 教育学研究科, 准教授 (70533644)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | L-因子 / ε-因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は分岐U(2,1)のスーパーカスピダル表現のニューベクトルの解析的理論について研究を行った。先行研究において私は、不分岐U(2,1)の既約許容表現のニューベクトルについて研究している。ニューベクトルについては、ニューベクトルの空間が1次元であることなどの代数的理論とニューベクトルのゼータ積分がL-因子を表すことの解析的理論がある。分岐U(2,1)のスーパーカスピダル表現のニューベクトルの代数的理論については平成26年度の研究で整備することができている。 今年度はその結果を踏まえてニューベクトルのゼータ積分がL-因子に一致することの証明を行った。この結果自体はスーパーカスピダル表現のみに関するものであるが、非スーパーカスピダル表現についてもこの理論の多くの部分、例えばニューベクトルのホイタッカー関数のヘッケ固有値による記述などは適用できる。 今年度はまた、分岐U(2,1)の深さ零スーパーカスピダル表現のL-因子の計算も実行した。分岐U(2,1)のスーパーカスピダル表現の構成の複雑さにより、そのL-因子を計算することは現状困難である。そこで構成が比較的容易である深さ零スーパーカスピダル表現についてL-因子の決定を試みた。不分岐U(2,1)の場合は平成27年度の研究でこれを行っている。今年度の研究では分岐U(2,1)の深さ零スーパーカスピダル表現についてニューベクトルのヘッケ固有値を決定し、その結果L-因子を計算することができた。 以上で分岐U(2,1)についてもスーパーカスピダル表現に対しては期待していたニューベクトルの理論が構築できたと言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度までの研究において分岐U(2,1)のスーパーカスピダル表現のニューベクトル理論を整備することができた。しかしながら応用上非スーパーカスピダル表現についても考察する必要がある。現状非スーパーカスピダル表現については部分的な結果しか得られていない。このため現段階の研究はやや遅れていると言える。 非スーパーカスピダル表現についてのこれまでの進捗を述べる。分岐U(2,1)の非スーパーカスピダル表現は放物型誘導表現の部分表現であり、既約放物型誘導表現と可約放物型表現の真部分表現の2種に分類することができる。ニューベクトルの代数的理論については3通りある可約放物型表現の真部分表現のうち1種のみが未解決であり、その他の場合には解決している。解析的理論についてはスーパーカスピダル表現の場合の多くを適用することができる。現状での困難さは代数的部分が解決していない可約放物型表現の真部分表現のうちの1種である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究としては主に、分岐U(2,1)の非スーパーカスピダル表現のニューベクトル理論とU(2,1)のL-因子をガロア側のL-因子と比較することの2つを計画している。 分岐U(2,1)の非スーパーカスピダル表現について、上での述べたように可約放物型表現の真部分表現が原因となって結果が得られていない。これについては放物型誘導表現の関数空間としての具体的な記述と、ホイタッカー表現の対角への制限の理論の整備の両方を並行して考えながら解決したい。 ガロア側のL-因子との比較についてはGL(3)へのベースチェンジを用いて研究を行う。方針としてU(2,1)のL-因子がGL(3)へのベースチェンジのL-因子と一致することを示し、ガロア側についても同様のことを示すことを考えている。必要な知識としてガロア側のL-因子の理論と有限体上の代数群の既約表現を記述するDeligne-Lusztig理論がある。
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Causes of Carryover |
今年度は病気により平成28年11月30日から12月10日までの11日間と平成29年2月15日から2月19日までの5日間の2回の入院を行った。それが原因で年度を通して体調が悪く、具合が悪くなって動けなくなるようなことが何度かあった。当日の朝まで体調がわからない状態であり、そのため今年度は予定していた出張を取りやめざるを得ない状況であった。病気については現在安定しているものの未だ服薬治療中であり、また6月以降にもう一回の入院を予定している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度の情報収集、研究打ち合わせ、研究発表用の旅費として使用する。分岐U(2,1)のスーパーカスピダル表現についてニューベクトルの解析的理論が整備できたので、その応用について調べるために保型表現関係の研究集会に参加して情報収集を行いたい。
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