2016 Fiscal Year Research-status Report
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26800029
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 亮吉 東北大学, 理学研究科, 助教 (80629759)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 離散群論 / Poisson境界 / 従順群 / 語双曲群 / Liouville性 / ランダムウォーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は, まず, 離散群上のポテンシャル論における未解決問題の1つであるBenjamini-Lyons-Schramm予想(1997年)について一定の成果を得た. 具体的には, すべての非Liouville群についてある$p_0<1$が存在して, すべての$p \ge p_0$について無限クラスターは非Liouvilleであることを示した. これは非常に弱い主張ではあるが, 予想を肯定的に示唆するものである. 一方で, 継続的に行っている従順群のポアソン境界について研究を行った. モンペリエ大学のJeremie Brieussel氏とカリフォルニア大学サン・ディエゴ校のTianyi Zheng氏との共同研究において, 実数直線のアファイン変換群の離散類似である「離散アファイン群」という新しい群のクラスを導入し, その基本的な代数構造や, 連続版には存在しない非Liouville性, またポアソン境界の決定を行った. また離散アファイン群ではヒルベルト圧縮定数の値を完全に決定することも出来た. さらに, グロモフ双曲空間に作用する群に付随する調和測度の研究を行った. この研究では調和測度の次元公式を最も一般的な形で証明することに成功した. 応用として, 体積が有限の負曲率リーマン多様体の正則被覆について, それがグロモフ双曲的であるとき, その上のブラウン運動の調和測度について同様の公式が成り立つことが分かった. またacylindrical双曲群についても同様のアイデアで次元公式を証明することが出来た. これは, 写像類群など語双曲的でない群も含む重要なクラスの群であるが, 作用する空間がproperでないという困難が生じる. この場合, グロモフ境界はコンパクトでないが, この次元公式から, 調和測度の次元は有限であり, かつ正であることが分かった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画において目標として掲げていた問題を解決することができた. またその研究で得られた知見をGromov双曲群において発展させることが出来た.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当研究課題を完成させるため, 成果を取りまとめる. Gromov双曲群上のポテンシャル論的解析をさらに発展させるべく, 情報収集も行っていく.
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Causes of Carryover |
本年度はアメリカ, ワシントン大学に一年間の長期滞在を行うことになり, 研究計画を大幅に見直した. この滞在は, 本研究計画を始めた段階で, 予定していなかったものである.本年度に予定していた旅費の大半を使わないことにし, その代わり次年度に使用したいというのが, 主な理由である.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
共同研究(フランス, モンペリエ大学)旅費と情報収集(カナダ, ブリティッシュ・コロンビア大学)旅費.
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Research Products
(8 results)