2016 Fiscal Year Research-status Report
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26800037
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
森谷 駿二 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (40583464)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 高次ホモトピー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は他の研究者と共同で,結び目(より正確にはlong knot)について,その分類空間の研究を行った。分類空間は群やモノイド,カテゴリーの研究で非常に重要な対象であるが,セルの貼り付けなどのホモトピー論的な操作で定義されるものである。これについて,筆者らはshort ropeの空間という結び目空間類似の幾何学的な空間が分類空間と弱ホモトピー同値となることを証明した。この結果はJ. Mostovoyの予想を肯定的に解決したものであり,結び目の研究に新しい視点を与えるものと期待される.この証明の中では,S. Galatius, O. Randal-Williams によって発見された,cobordism categoryの幾何学的モデルであるspace of manifold を用い,様々なカテゴリーを経由することによって弱ホモトピー同値を証明した。今後はこのshort ropeの空間にGoodwillie-Klein-Weissのembedding calculus を適用することなどを計画している. また,枠付小球体オペラッドのnon-formalityについての論文を執筆した。この研究についてはpreprint sever"arXiv"にアップロードした所,米国Oregon大学のD. Sinha氏から招待を受け,T. Goodwillie氏,R.Koytcheff氏,P. Songhafouo Tsopmene氏,V.Turchin氏らとも研究連絡を行った。この米国旅行により,(non)formalityの研究に関して新しい方向性が定まったと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
筆者の研究以外の業務に割く時間が多かったため,当初の研究計画どおりには進んでいない。しかし,新しい研究の方向性を得ることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は枠付小球体オペラッドの代数的モデルを28年度に得られた知見を基に構成する。通常の(枠の付いていない)小球体オペラッドについてはKoszul dualityによって極小モデルが知られているので,rotation groupのHopf代数の作用をこの極小モデルに与えることによってモデルを構成したい。また,M.Livernetの研究のSwiss cheese オペラッドのnon-formalityの研究から,正標数についてformalityがどこまで言えるか?二対手も研究する予定である。
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Causes of Carryover |
26年度,27年度は筆者の研究以外の業務に費やす時間が多く,研究集会への参加・研究発表なども思うように出来ず,研究を進めることが出来なかったため,次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
筆者の研究はまだ途上であり,今後も国内外の研究集会に参加し,情報収集をしながら進めていく予定である。枠付小球体オペラッドの代数的モデルの構成にKoszul dualityを利用するのは28年度に新たに得られた知見であるので,この方向性で研究を進めて行く。このような研究を実行するため,国内外の研究集会への参加,また必要な書籍の購入などに使用する予定である。
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