2014 Fiscal Year Research-status Report
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26800047
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
野澤 啓 立命館大学, 理工学部, 助教 (80706557)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 位相幾何国際情報交換フランスドイツブラジル / 葉層構造国際情報交換フランスドイツブラジル / 剛性 国際情報交換(フランス) / 佐々木多様体 国際情報交換(ドイツ、ブラジル) / 特性類 国際情報交換(ドイツ、ブラジル) |
Outline of Annual Research Achievements |
葉層構造の剛性に関し, Zimmerは高階の対称空間を葉とする極小Lie葉層構造が等質空間上の等質な葉層の引き戻しで得られることを示した. Gael Meigniez氏(南ブルターニュ大学)との共同研究において申請者はLie葉層構造の剛性問題に取り組み, 2次元の直和因子を持たない局所対称な葉を持つLie葉層構造が等質であることを示した. これはZimmerの定理の拡張とみなせる. Oliver Goertsches氏(ハンブルグ大学)とDirk Toeben氏(サンカルロス連邦大学)との共同研究において, Riemann葉層構造の特性類を閉葉の和集合に局所化するAtiyah-Bott-Berline-Vergne型の公式を得た. Martelli-Sparks-Yauにより特別なRiemann計量の存在の下で行われた佐々木多様体の体積の計算を階数が2以上という自然な条件の下で行うことができた. 応用として, 佐々木多様体の体積のReeb流の閉軌道への局所化公式を与え, 佐々木トーリック多様体の体積の計算を行った. 横断的にケーラーな葉層構造およびRiemann葉層構造の特性類の変形について研究し, 葉層構造の族に対して変形しうる特性類たち全体が互いに独立に変形することを証明した. 証明には奇数次元球面上のHopfファイブレーションおよびその変形から得られる葉層構造の特性類を計算した. 応用として横断的にケーラーな葉層構造の分類空間の整数係数ホモロジー群からある実数体上のべクトル空間への全射が存在することを示した. これらの結果により, 森田が定義したRiemann葉層の特性類についても同様の結果を証明した. 双曲多様体の測地流の安定葉層の正規直交枠束への引き戻しについて, Greenの手法に基づいてGodbillon-Vey類の計算を行い, 局所座標による表示を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Gael Meigniez氏(南ブルターニュ大学)との共同研究は順調に進行し, Lie葉層構造の剛性の問題について考察中である.また, これまでに得られた結果を論文にまとめている最中である. Oliver Goertsches氏(ハンブルグ大学)とDirk Toeben氏(サンカルロス連邦大学)との共同研究も順調に進行し, Atiyah-Bott-Berline-Vergne型の局所化公式の証明およびその佐々木多様体に対する応用について, 全て論文に書き上げたところである. 横断的にケーラーな葉層構造の特性類の変形の問題については, 既に論文にまとめ終わったところである. 双曲多様体の測地流の安定葉層のGodbillon-Vey類の計算については, 三松型の公式を得て 葉層構造の剛性を示すためにはより精密な計算が必要である.
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Strategy for Future Research Activity |
Gael Meigniez氏(南ブルターニュ大学)との共同研究では, Lie葉層構造の剛性の問題についてさらに深く調べる予定である. Hector-松元-MegniezによるLie葉層構造の例の構成によれば, 2次元のLie葉層構造については葉が局所対称であったとしても葉層構造が等質にはならないことがありうる.2次元では円周への群作用と関わって非常に特別な現象が起こっており, 豊かな幾何が含まれていると考えられる. 葉が局所対称だが等質でないような2次元Lie葉層構造がどれだけ構成できるのか考察する予定である. Oliver Goertsches氏(ハンブルグ大学)とDirk Toeben氏(サンカルロス連邦大学)との共同研究については, 得られたAtiyah-Bott-Berline-Vergne型の局所化公式のさらなる応用としていくつかのRiemann葉層構造の特性類を計算する予定である. 双曲多様体の測地流の安定葉層の剛性については, その調和測度およびFurstenberg写像を用いたアプローチを試みる予定である.
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[Presentation] Riemann葉層の剛性2014
Author(s)
Gael Meigniez, 野澤 啓
Organizer
研究集会「葉層構造と微分同相群 2014」
Place of Presentation
東京大学玉原国際セミナーハウス(群馬県)
Year and Date
2014-10-20
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