2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of branching process with interacting particle systems
Project/Area Number |
26800051
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中島 誠 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 准教授 (60635902)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 分枝過程 / ランダム環境 / ディレクティドポリマー / ピニング / KPZ方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
個体間に強い相互作用を持つ分枝過程の研究には, 一度ランダム環境で条件付けた個体数の期待値を考えることが一つの手法として存在する. 実際ランダム環境中の分枝ランダムウォークの総個体数の長時間挙動はランダム媒質中のディレクティドポリマーの分配関数と指数的に同じであることが知られている. この指数的な挙動を表しているものが自由エネルギーF(β)である. 研究期間全体を通じてこの自由エネルギーの挙動について研究を行った. 得られた結果は以下のようなものである. 空間次元が2次元の場合の自由エネルギーの挙動の評価を行い, log |F(β)|が-β^{-2}の速さで発散することを示した. これは後にBerger, Lacoinによってより正確な挙動が調べられた. また1次元の場合の自由エネルギーの高温はKPZ方程式のCole-Hpf解である確率熱方程式の解の挙動と一致することを証明した. これはランダム媒質中のディレクティドポリマーのある種の極限として確率熱方程式の解が得られることに着目して得られた結果である. さらに高次元の場合に注目してランダム媒質中のディレクティドポリマーの臨界点を調べるためにランダムウォークピニング模型の解析も行った. この研究ではランダムウォークピニング模型に存在する2種の相転移の臨界点が一致することを証明し, 特に3次元以上の場合には劣臨界的な相では中心極限定理および普遍原理が成立することが証明された.
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Research Products
(7 results)