2016 Fiscal Year Annual Research Report
Constructions of analytic models of small representaions
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26800052
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
久保 利久 龍谷大学, 経済学部, 講師 (90647637)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | small representations / Torasso's representation / Verma modules / hypergeometric equations |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間の最終年度となる本年度は幸いにも様々な進展を迎えることができた。本研究は絡微分作用素の解空間にサイズの小さな無限次元表現(small representation)を構成することをその研究目的としているが、構成する過程である漸化式を解く必要があり、その漸化式をどう解くかという問題があった。これまでいくつかの方法を試してきたが、今回その漸化式の解は超幾何微分方程式の解でもあるということに気づき、それによって煩雑な計算を一切せずに解くことに成功した。また漸化式の解で構成される線形空間はある群の表現空間になっていることも示さなければならなかったが、これも超幾何微分方程式の解である事実より綺麗に証明することができた。これにより「Torasso表現」と呼ばれる表現を含むいくつかのsmall representationをelementaryに構成することに成功した。
さてTorassoは1983年に発表した論文において、今日Torasso表現と呼ばれている表現を構成しているが、その構成法は技巧的であり、直ぐさま他のケースに応用することは難しい。一方で我々の方法は非常に単純であり、様々なケースに広く応用できるのではないかと考えている。本研究では扱う群を一つ決め、それに対して考察を行ってきたが、今後は本研究で用いた手法がどのように他の群の場合に一般化できるか研究を続ける予定である。また本研究においては超幾何微分方程式の多項式解のみ扱ったが、今後は非多項式解についても考察していきたい。
最後に本研究を推し進める上でたくさんの研究者の方に貴重な助言をいただいたことを申し添えておく。名前を紹介するのは差し控えることとするが、ここに感謝の意を表しておきたい。
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