2016 Fiscal Year Research-status Report
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26800059
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柴山 允瑠 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (40467444)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ハミルトン力学系 / 周期解 / 天体力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
特異点を持つハミルトン系における周期解の存在を示した結果をフロリダで開催された国際会議で発表した。また、その結果をまとめた論文が学術雑誌Discrete and Continuous Dyanamical Systems -Aに掲載された。 制限n体問題の非可積分性を微分ガロア理論により証明した。制限n体問題は普通のn体問題と異なり3体衝突がなく、また微分ガロア理論を適用する場合に必要となる自己相似解も存在しないので、非可積分性を示すにのはより困難であったが、微分方程式を複素化して現れる新たな特異点に着目し、またハミルトニアンのスケーリングを用いて、普通のn体問題と似た設定に帰着することができ証明を完成することができた。その結果については、国内のいくつかの研究会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は特異点を持つハミルトン系における周期解の存在を示した結果をまとめた論文を出版することができ、このテーマは本研究課題の目標の1つであった。また、制限n体問題の非可積分性の証明も得られた。以上のことから、順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
制限n体問題の非可積分性を示した結果について論文にまとめ投稿する。 これまでの研究結果をもとに、残るテーマであるハミルトン系が非双曲的となる場合に現れる多くの周期解の変分法的な存在証明を目指す。
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Causes of Carryover |
本年度に研究成果を海外での国際会議で発表する予定であったが、次年度に開催される研究会で分野の近い専門家を集まってもらう方が、研究成果の意義が高いと考えられるから。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主に旅費として支出する。特に研究会でのセッションで関連する研究者を呼び、互いの成果を発表することで研究の公開、今後の研究の促進を図る。
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