2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26800059
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柴山 允瑠 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (40467444)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 力学系 / 周期解 / 変分問題 / 微分ガロア理論 / 可積分性 / 制限n体問題 / n中心問題 / 記号力学系 |
Outline of Annual Research Achievements |
ケプラー型ポテンシャル系におけるエネルギー固定のもとでの周期解の存在を示した結果について,論文が出版された.これは当初から目標としていたテーマの1つであった.従来の方法では,衝突をもつ曲線が汎関数の臨界点になったとして,そのモース指数を評価することにより衝突を避けていた.本研究では,3体問題の8の字解の存在証明などで用いられてきた大域的評価を導入することにより,これまで課されていた仮定を緩めることができた. 制限n体問題やn中心問題が非可積分であることを微分ガロア理論を用いて示した結果について論文を執筆し,投稿した.すでに掲載決定されている.これらの問題は見かけ上,Kepler型の特異点しか現れないのでそこに焦点を当てて非可積分性を示すことは困難であったが,微分方程式を複素数に拡張することで3体衝突のような特異点が現れ,その特異点に漸近する軌道に沿った変分方程式にMorales-Ramis理論を適用することにより,非可積分性を証明することができた. 3体問題の特別な場合である平面Sitnikov問題において,ある性質をもつ任意の記号列に対し,対応する軌道が存在することを変分法により証明した.現在論文を執筆中である.また,同時に多様な周期軌道やその間のヘテロクリニック軌道の存在も分かった.Montgomeryらにより3体問題における記号力学系の構築を目指した研究がなされてきており,本結果はMontgomeryらの記号化とは別の方法で記号列との対応を実現している.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初目標としていた研究テーマは概ね達成された.
|
Strategy for Future Research Activity |
研究成果は得られているので,その結果の論文執筆と投稿をし,また研究集会や国際会議で発表する予定である.
|
Causes of Carryover |
29年度は研究成果を発表する段階であったが,関連分野の国際会議が開催されなかった.平成30年には ,ボストン,台湾,スペインなとで関連分野の国際会議が開催される.特に,台湾で開催される国際会議AIMSは約2000人参加するもので,私がつのセッションを主催するので,本研究の一部を共同で行っ てきた学生とともに発表することで,本成果のアピールができると考えられる.そのため,成果の発表に平成30年度に支出することにした.
|
Research Products
(12 results)