2015 Fiscal Year Annual Research Report
量子可積分系の固有値と古典可積分系の保存量の対応の研究
Project/Area Number |
26800064
|
Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
土谷 洋平 神奈川工科大学, 基礎・教養教育センター, 准教授 (80460294)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | ソリトン / 古典可積分系 / 量子可積分系 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、可積分系と呼ばれる分野において、申請者が過去に発見した現象を周辺分野の研究者に周知し、背景にある理論を探求することを目的とするものである。 周知という面では、平成27年度は外国人研究者の招聘を2回行って研究集会を開くことができた。平成28年1月29日から2月13日の期間にはCEA Saclay (フランス)のVincent Pasquier氏を招聘した。2月9日には研究集会を開き、国内の研究者数名とも議論をすることができた。平成28年3月にはLandau Institute (ロシア) のYaroslav Pugai氏 (3月4日から3月24日)とMichail Lashkevich氏(3月16日から3月24日)を招聘し、3月22日にやはりインフォーマルミーティングを開いて国内の研究者数名と議論をすることができた。2回の招聘では国内外での気鋭の研究者と議論をすることができ、周知という意味ではかなりの効果があったと感じている。数年以内に、本研究に関連した論文が数理物理系の論文誌では多少見られるようになると思われる。ただし、研究計画にあった論文の投稿を研究期間内に達成することが出来ず、そのことが心残りである。 理論の伸展という意味では様々なことがあった。研究計画では古典可積分系と量子可積分系の間に、ある対応が存在するという予想を検証することを狙っていた。そのことについて、Pasquier氏と東京大学の白石氏との議論の中で、コヒーレント状態という別の側面からの対応現象を発見した。これは、予想を強化する状況証拠をもう1つ見つけたということであり、これを報告するため現在3人で論文を投稿準備中である。Pugai氏とLashkevich氏は、申請者らとの議論にヒントを得て、sin-Gordon模型のホモトピー作用素というものを構成し、このことに関する報告を現在投稿準備中である。
|