2016 Fiscal Year Annual Research Report
Mathematical model approach for aggregation mechanism of biological species
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26800084
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
出原 浩史 宮崎大学, 工学部, 准教授 (50515096)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | パターン形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
周囲に存在する特定の化学物質の濃度勾配に対して、生物個体が方向性を持った行動を起こす走化性と呼ばれる現象がある。例えば、大腸菌やサルモネラ菌などのバクテリアは、ある化学物質の濃度勾配を感知してその高い方向へと移動する走化性を持つ。そのようなバクテリアを養分を含んだ培地上で培養すると走化性と増殖の効果によって非常に規則正しい複雑なコロニーパターンを形成することはよく知られている。さらにそのコロニーパターンは培地に含まれる養分濃度等に応じて様々に変化する。このようなパターン形成過程やメカニズムを理解するために数理モデルによるアプローチがなされてきた。パターン形成メカニズムを説明するために様々な数理モデルが提唱されているが、その共通の構成要素は走化性と増殖である。 これまで最も単純な走化性と増殖を含む数理モデルの解析を行ってきた。本年度はこれまでのlogistic増殖項ではなく、cubic型の増殖項を持つ走化性-増殖方程式を考察し、増殖項の違いによってパターンダイナミクスにどのような違いが現れるのかを調べた。その結果として、cubic型の増殖項を持つ走化性-増殖方程式はlogistic増殖項を持つそれとは異なるダイナミクスが走化性効果が強い時に見られることがわかった。つまり走化性効果の強さによって生物種が集合しすぎることで絶滅しうることが数値計算から示唆された。これはこれまで知られていなかった新たな現象であり、現在論文を執筆し投稿準備中である。 さらに本研究の応用として、大腸菌のコロニーパターンを記述する新たな数理モデルの構築を考えている。
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Research Products
(12 results)