2016 Fiscal Year Annual Research Report
On factor problems in graphs with high regularity
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26800085
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤沢 潤 慶應義塾大学, 商学部(日吉), 准教授 (00516099)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | グラフ理論 / 位相幾何学的グラフ理論 / 3-連結3-正則グラフ / 1-平面グラフ / スターフリーグラフ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究成果について以下に列挙する。 1.5-連結な最適1-平面グラフは、3-連結な4-正則グラフの双対と対応している1-平面グラフの族である。本研究では、そのようなグラフの族におけるマッチング拡張性についての研究成果が得られた。具体的には、5-連結な最適1-平面グラフは自明な例外を除いて2-拡張性・3-拡張性を持つことが明らかになった。1-平面グラフは辺の縮約操作について閉じていないグラフの族であるため、既存のマッチング理論の手法が適用できないが、本研究ではその困難を解消する新たな証明手法が導入された。1-平面グラフのマッチング拡張性の研究がこの手法によって広がりを見せることが期待される。 2.「あるグラフにおける、どの2辺も互いに距離がd以上離れているマッチングはすべて拡張的である」というdが存在するようなグラフの族G*を解明する研究は2011年のAldred-Plummerの論文から始まり、グラフの持つ位相幾何学的な性質との関連で研究が進んできた。一方、G*についての研究は、位相幾何学的な条件を用いたもの以外についてはなされていなかった。本研究では局所連結度の高いスターフリーグラフがG*に属することが解明された。これまでになされていなかったタイプの研究であるため、その手法は独創的なものであり、今後のG*に関する研究の礎石となり得る研究成果である。 3.3-連結3-正則グラフの中の一部のグラフの族が、上記のG*に含まれるであろうという強い感触が得られた。この見通しが正しかった場合、得られる結果は2007年のAldred-Jacksonの結果と対照的なものとなり、興味深い。 以上に加え、2-因子を誘導する禁止部分グラフの条件や、取り除いても連結度を大きく落とさないサイクルの存在についてなど、多角的な研究成果が得られた。
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Research Products
(4 results)