2015 Fiscal Year Research-status Report
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26800099
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
馬場 淳一 東京工業大学, 地球生命研究所, 産学官連携研究員 (90569914)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 銀河形成 / 大規模シミュレーション / 非平衡化学反応 / 遠方星形成銀河 / 次世代観測 / 国際情報交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は高精度高分解能N体/SPHシミュレーションコードに、星間ガスの水素、ヘリウム、炭素、酸素といった主要元素の電離・結合・分子生成・解離などの詳細な非平衡化学反応と、それに伴う加熱・冷却過程を組み込み、これらの素過程に基いて星間ガスの電離ガス・原子ガス・分子ガスといった熱相を再現することで、近傍および遠方星形成銀河の星間ガスの熱的・運動学的性質を理論的に明らかにすることが目的である。
本年度は、昨年度開発したコードを用いて実行した銀河シミュレーションのデータを解析および考察した。その成果は、2015年の日本天文学会秋季年会と研究会「星形成の諸階層 -銀河から惑星まで-」において発表した。
また、既存の理論モデルの問題点を明らかにするために、既存のシミュレーションと観測との比較を行う共同研究を進めた。これにより、既存の理論モデルは、観測データに比べ分子ガス量を系統的に低く評価していることを指摘した。さらに、観測との比較のため、ALMA望遠鏡を用いた銀河の低温ガスサーベイの立案を行い、そのための国際ワークショップも開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定どおり、開発したシミュレーションコードを利用して、近傍および遠方星形成銀河の大規模シミュレーションを行った。また、観測との比較のために、銀河の低温ガスサーベイ観測の立案を行った。これらの成果を投稿論文としてまとめている段階にある。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度得られた結果を投稿論文としてまとめ、国内外の研究会で発表する。
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Causes of Carryover |
研究打ち合わせとしての国立天文台野辺山宇宙電波観測所への出張の予定がなくなったため。論文の投稿が年度内に間に合わなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
論文の英文校正料、投稿料、研究打ち合わせや学会等への出張費として充てる。
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Research Products
(8 results)