2016 Fiscal Year Annual Research Report
Uncovering Starbursts in Nearby Dwarf Galaxies with Integral Field Spectroscopy in Optical
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26800101
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
松林 和也 国立天文台, 岡山天体物理観測所, 特任研究員 (60622454)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 矮小銀河 / スターバースト / 銀河進化 / 可視光 / 面分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、近傍宇宙の星質量が小さく、激しい星形成を行っている銀河をサーベイデータから探し、その銀河に対して広視野面分光観測を行って、矮小銀河の星形成の様子を明らかにすることである。 2014年度から2015年度にかけて、面分光観測のターゲットとなる、激しい星形成を行っている小星質量・低金属量の矮小銀河を2天体選出した。ターゲット天体は大規模サーベイである、スローンデジタルスカイサーベイのアーカイブデータから、天体までの距離が200 Mpc以内、Hβ輝線等価幅が200 Å以上、複数のクランプが見られるものを選出した。選出された2天体は、その明るさから星質量は1億太陽質量以下と非常に軽く、輝線強度比から金属量は太陽の数分の1と小さいものであった。2015年12月25日から27日に、国立天文台 岡山天体物理観測所188 cm望遠鏡と、可視光面分光装置KOOLS-IFUを使い、観測を行った。 2015年度から2016年度にかけて、取得した観測データの解析を行った。データ解析には、天体データ解析ソフトウェアIRAFと、自身で開発した解析スクリプトを使用した。その結果、どちらの銀河も、最も明るい領域だけでなく、その他の領域でも輝線強度比[NII]λ6583/Hα = 0.01-0.025、[OIII]λ5007/Hβ = 2.5-6程度であった。この強度比は、各領域が比較的金属量の小さい星形成領域であることを示している。[SII]λλ6716,6731や[OI]λ6300などと組み合わせた輝線強度比も、星形成領域と考えて矛盾しないことが分かった。衝撃波領域は見つからず、Hα輝線の速度場は±50 km/s、速度分散は550 km/s以下であり、激しいガスの運動は見られなかった。これらの結果から、激しく星形成を行っている小質量・低金属量の矮小銀河の進化史を推定することができた。
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Research Products
(5 results)