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2014 Fiscal Year Research-status Report

星形成の初期物理状態:3次元磁場構造の探査

Research Project

Project/Area Number 26800111
Research InstitutionNational Astronomical Observatory of Japan

Principal Investigator

神鳥 亮  国立天文台, 太陽系外惑星探査プロジェクト室, 特任研究員 (90534636)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2016-03-31
Keywords星形成 / 星間物質 / 磁場 / 近赤外線
Outline of Annual Research Achievements

本研究では、広視野近赤外偏光観測に基づき、星形成直前の高密度ガス塊(分子雲コア)に付随する磁場を3次元構造まで含めて解明することを目指している。初年度においては、次の4点で進展があった。1) 近赤外偏光撮像データの解析パイプラインの開発と3次元解析の高精度化、2) 主要な研究対象である分子雲コアFeSt1-457の周辺領域までを網羅するモザイク撮像データの解析により、コアに付随する重力的に歪められた磁場構造が周囲の直線磁場に接続する様子を検出、3) FeSt1-457と同じ分子雲に所属するコア9天体の磁場構造の解明、4) 近赤外偏光装置の着脱機構の改善による、観測モード切り替え(単純撮像・直線偏光・円偏光)のオーバーヘッド時間の大幅な短縮と観測効率の向上。
これら4点の中でも、2点目で述べた解析の進展が重要である。分子雲コアの磁場の湾曲形状には、分子雲の重力収縮の履歴の情報が含まれている。コア中心部から周辺部の直線磁場との接続領域までの磁場分布の詳細解析により、コア形成の空間スケールならびに初期磁場強度の推定が可能になると考えられる。3点目の多天体解析からは、FeSt1-457を含む3天体の周囲に磁場の重力湾曲を発見し、こういった構造が分子雲内に普遍的に存在することがわかってきた。また、4点目の装置着脱機構の改善では、円偏光モードとその他の観測モードとの切り替え時間が1時間以上短縮された。これにより、異なるモードでの観測提案が混在する期間においても、分子雲コアの磁場観測を効率よく行えるようになった。以上の知見ならびに改良点を踏まえて、星形成前の分子雲コアの広域かつ網羅的な観測を効率的に進め、磁場が恒星の形成過程で果たす役割を3次元的に解明するための研究を推進する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

昨年度は、健康上の理由から南アフリカ共和国での観測のための中長期渡航が実現できなかった。このため、既に保有する近赤外偏光データの解析は進められたものの、大量の新規データを取得するための観測は延期せざるをえなかった。現在までの達成度は、解析面では進展、観測面では遅延がある。

Strategy for Future Research Activity

観測装置のメンテナンスを適宜行いつつ、パイプ星雲分子雲複合体に含まれるコアを中心とした天体群を集中的に観測し、磁場構造のマッピングを進めていく。大規模な観測データを初年度に当たる平成26年度に取得できなかったため、データ解析と論文化については、ケーススタディならびに10天体程度の中規模サンプル数までの統計的議論を中心に進める予定である。

Causes of Carryover

健康上の理由から、南アフリカ共和国の望遠鏡サイトへの中長期渡航が困難であった。このため、渡航のための旅費、ならびに現地での交換と試験観測が必要となる偏光素子の購入を延期することになり、予算の予定執行額との乖離が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

平成26年度から延期された観測渡航のための旅費支出と偏光素子の購入を行う予定である。

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Published: 2016-06-01  

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