2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26800120
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
富沢 真也 東京工科大学, 教養学環, 准教授 (20624042)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 高次元ブラックホール / 安定性 / カルツアクライン理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
等角運動量の5次元のMyers-Perryブラックホールについては、重力摂動に対して安定であるが、コンパクト化されたブラックホール解であるブラックストリングは、長波長摂動に対して、Gregory-Laflamme不安定を示すことが知られている。一方で、コンパクト化されたブラックホール解であるDobiash-Maison解は、Myers-Perry解をある変形をすることによって得られるが、その安定性については(ブラックストリング解とMyers-Perry解の)どちらの性質を示すのか自明ではない。特に、Dobiash-Maison解に焦点を当てて、ゼロモードと幾つかの非軸対称モードに関しては、ブラックホールは安定性であることを示した。また、逆散乱法を用いて、Levi-Civita時空の非線形重力波のソリトン解を構成し、その物理的性質(偏極モードの変化や安定性など)についても議論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Dobiash-Maisonブラックホール解の重力摂動の安定性について、短波長のモードに関しては、解析的に計算可能だが、不安定性が起こると期待される長波長のモードに関しては、数値的手法が必要であり、現在、数値計算の精度を向上させているため。
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Strategy for Future Research Activity |
Dobiash-Maisonブラックホール解の重力摂動の安定性について、短波長のモードに関しては、安定性を示したが、不安定性が起こると期待される長波長のモードに関して数値的な解析を進める。また、ブラックサターン解に対して、従来型「局所ペンローズ不等式」を破るような摂動解の初期条件を数値的に求め、軸対称摂動(あるいは、非軸対称摂動)に対する解の不安定性を明らかにする。
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Causes of Carryover |
国内研究会が東京都内の大学で開催されることが多く、出張費が予定より安く済んだため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会2回、国内研究会1回、国際会議(大阪市立大学)1回の旅費と消耗品の購入。
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