• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2015 Fiscal Year Research-status Report

ニュートリノ反応の詳細理解を可能とするシンチレーションファイバー検出器の開発

Research Project

Project/Area Number 26800134
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

南野 彰宏  京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (70511674)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywordsニュートリノ振動 / 前置検出器 / シンチレーションファイバー / 加速器 / MPPC
Outline of Annual Research Achievements

T2Kおよび次世代長基線ニュートリノ振動実験で粒子・反粒子対称性の破れの探索を進めていく上で、ニュートリノ反応の系統誤差削減が急務となっている。本研究は、ニュートリノ反応点周りの全荷電粒子のトラックを再構成可能なシンチレーションファイバー前置ニュートリノ検出器のプロトタイプを制作し、検出器が要求性能(光量による粒子識別、10mm程度の短い飛跡の再構成が可能)を持つことを実証することを目的としている。
2015年度は、2014年度に制作した64チャンネルのプロトタイプ(断面が2mm角で長さが1mのシンチレーションファイバーをx方向に8本並べたものを8層重ねた)を東北大学光理学研究センターに持ち込み、陽電子ビームを照射する試験を行った。その結果、光量は約40 p.e./hitとなり、光量による粒子識別を行うのに十分であることを確認した。Hit efficiencyはほとんどのファイバーで95%以上となり、期待どおりの結果となった(不感領域であるファイバーのクラッドの割合は全体の4%)。ファイバーの減衰長は2m以上であるこが確認でき、2mのファイバーを用いた検出器が実現可能であることを確認した。
2015年度のもうひとつの成果は、シンチレーションファイバーと光検出器(Multi-Pixel Photon Counter)の位相をずらすことで、隣り合うMPPCで測定された光量の比から高い精度で位置を再構成するデザインを考案し、プロトタイプ(断面が2mm角のシンチレーションファイバー85本を64chのMPPC arrayで読み出す)を制作した。シミュレーションによると2mm角のファイバーで200μm程度の位置分解能が期待される。2016年度に、このプロトタイプを用いたビーム照射試験を行う予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2015年度の予定していた、J-PARC K1.1BRビームラインでの粒子識別試験は、ハドロンホールでの事故の影響でビームラインの運転が再開されていないため、実現できなかった。代わりに、プロトタイプを東北大学光理学研究センターに持ち込み、陽電子ビームを用いて、性能評価試験を行った。
当初2015年に予定していた、T2K実験の前置検出器ホールにプロトタイプを設置してのニュートリノデータ観測を延期している。代わりに、2mm角のファイバーで200μm程度の位置分解能を実現できる検出器を考案し、そのプロトタイプを作成した。

Strategy for Future Research Activity

2016年度は、2mm角のファイバーで200μm程度の位置分解能を実現できる検出器のプロトタイプを東北大学光理学研究センターに持ち込み、陽電子ビームを照射する試験を行い、その性能を実証する。
2016年度のもう一つの目標は、シンチレーションファイバー検出器のプロトタイプをエマルジョン検出器と既存のT2K前置ニュートリノ検出器の間に設置し、(1)エマルジョンのトラックに時間情報を付与することで、既存の検出器とのハイブリッド解析を行い、(2)プロトタイプ内で起こったニュートリノ荷電カレント反応を観測する。

Causes of Carryover

T2K前置検出器ホールでのプロトタイプを用いた測定が、次年度に延期になったため。

Expenditure Plan for Carryover Budget

2mm角のファイバーで200μm程度の位置分解能を実現できる検出器のプロトタイプを東北大学光理学研究センターに持ち込み、陽電子ビームを照射する試験を行い、その性能を実証する。
プロトタイプをT2K前置ニュートリノ検出器ホールに設置し、ニュートリノビームを観測する。

  • Research Products

    (3 results)

All 2016

All Presentation (3 results)

  • [Presentation] 次世代長基線ニュートリノ振動実験に向けた高分解能飛跡検出器の開発2016

    • Author(s)
      山本実加
    • Organizer
      日本物理学会第71回年次大会
    • Place of Presentation
      東北学院大学
    • Year and Date
      2016-03-19 – 2016-03-22
  • [Presentation] 次世代長基線ニュートリノ振動実験に向けた高分解能シンチレーションファイバー検出器の開発2016

    • Author(s)
      平本綾美
    • Organizer
      日本物理学会第71回年次大会
    • Place of Presentation
      東北学院大学
    • Year and Date
      2016-03-19 – 2016-03-22
  • [Presentation] T2Kアップグレードに向けた高性能ファイバートラッカーの開発2016

    • Author(s)
      平本綾美
    • Organizer
      第22回 東京大学素粒子物理国際研究センターシンポジウム
    • Place of Presentation
      長野県 ビラビレッジ岳美
    • Year and Date
      2016-02-28 – 2016-03-02

URL: 

Published: 2017-01-06  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi