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2014 Fiscal Year Research-status Report

偏極HD標的製造期間最適化のための17T用周波数掃引型NMR測定システムの開発

Research Project

Project/Area Number 26800137
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

太田 岳史  大阪大学, 核物理研究センター, 研究員 (20727408)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2016-03-31
Keywords偏極標的 / NMR / 極低温 / 高磁場 / 700MHz
Outline of Annual Research Achievements

大阪大学核物理研究センターで開発している固体偏極標的(HD標的)は水素と重水素からなる二分子構造を持ち、高偏極化と偏極の長寿命化が可能である。理論的には偏極度は90%まで到達可能である。現在、実際に製造されている偏極度は50%程度、偏極度の寿命(緩和時間)は8ヶ月以上である。この標的は大阪大学で製造され、偏極を保持したまま実験を行うSPring-8まで輸送される。現在、高偏極と長寿命化の開発が進められている。
この標的は希釈冷凍機と超伝導マグネットによる14mK、17Tの極低温、高磁場環境下に晒されボルツマン分布の法則に従い偏極する。しかしすぐには偏極せず3ヶ月にわたり偏極が成長してゆく。この間希釈冷凍機と超伝導マグネット運用のために液体ヘリウムを欠かさず追加せねばならず、昨今の液体ヘリウム事情からもこの運用は厳しくなっている。
偏極標的の偏極度と寿命の測定はHD標的開発に特化したポータブルのデジタルNMR測定システムで行っている。これまで製造開始時と終了後の1Tでの磁場掃引でしか行えていない。1Tでの水素のNMR周波数は42MHzである。偏極中の17Tでは700MHzの周波数が必要であるが技術的に実現できてない。もし17TNMRが可能になれば偏極標的開発期間を短縮可能性の評価と偏極の成長曲線から製造時の最適化が可能となる。そこで製造期間中でもNMR測定が可能となるよう17TNMRの開発を進めた。本年度は17Tでの測定に必要となる周波数掃引型のNMR測定の開発を行った。結果1つの測定に5分必要とされたものが1秒まで短縮を実現できた。また来年度の目標であった多核NMRの実現に先立って成功した。17Tでの測定は試みたが信号は観測できなかった。周波数掃引型測定の実用化に伴い17Tでの周波数700MHzを使用したテスト環境が可能になり、擬似信号を用いて開発を続けている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度の計画では17TでのNMR信号を観測を目標としていたが、観測できなかった。本研究のプロジェクト責任者は本プロジェクトが行われる大阪大学ではなくSPring-8にて研究活動を行っている。そのため本プロジェクトの研究を行う際にはその都度大阪大学に戻り遂行しなければならない。また人員の配置替えによってプロジェクトをサポートできる人間がいなかったため、大阪大学に戻った際にはテスト冷凍機の冷却から立ち上げまで最初からすべて行わなければならなかった。そのため本研究の17TNMRの開発の時間が十分にとれなかった。しかし人的リソースの不足を補うため本開発が容易になるよう周波数掃引型の測定システムを改良を重ねた。改良の結果測定に5分かかっていたものが解析も含めて1秒で得られるようになった。また副産物として多核NMRが可能になった。多核NMRは17Tの次に予定していたものである。さらに毎回実測定の為、冷凍機を冷却して準備に時間をとられていたが冷凍機なしで擬似テストも可能になった。
こういったことから目標であった17TNMR信号は未だ観測できていないもののそれ以外の部分は期待を越える達成があったことから順調であると考えた。

Strategy for Future Research Activity

完成した周波数掃引でNMR信号を測定可能であるということの確認を急がねばらなない。
すでに700MHzの擬似信号を発生させ、コイルによって信号を拾えるという確認は終了している。
直近に17TのNMR測定の計画があるので、その実験により観測を実現させたい。

Causes of Carryover

17TNMR測定で使用可能なデジタイザの選定のため、レンタルをしていた。しかし本年度で17TNMR信号の観測ができなかったためデジタイザの確実な選定も行えなかった。
信号の観測ができていない状態での購入はのちに実現不可能を招く可能性がある。したがってデジタイザ購入は急がずに次年度に持ち越した。

Expenditure Plan for Carryover Budget

17TNMR信号が確認できれば購入の手続きに進む

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] 核スピンイメージング研究の基礎と医用画像研究への展開2014

    • Author(s)
      太田 岳史
    • Organizer
      電子情報通信学会 医用画像研究会
    • Place of Presentation
      イーグレひめじ
    • Year and Date
      2014-11-08
    • Invited

URL: 

Published: 2016-06-01  

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