2016 Fiscal Year Annual Research Report
Optical magnetoelectric effect in ferroelectric ferromagnet boracite
Project/Area Number |
26800167
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 伸行 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (70582005)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 電気磁気効果 / 光学的電気磁気効果 / 分域構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
強磁性強誘電体では物質中の磁化と電気分極が互いに相関を持ち、磁場による電気分極の操作あるいは電場による磁化の操作が可能となる。この現象は電気磁気効果と呼ばれ、1960年代から研究が行われている。しかし、実際に強磁性強誘電体となる物質は限られており、近年活発に研究が行われたマルチフェロイクスにおいても多くは反強磁性体であった。本研究で対象としたボラサイト化合物は強磁性強誘電体として1960年代に合成された。この物質群では実際に電場による磁化向きの制御などの電気磁気効果が報告されている。この電気磁気効果は電場や磁場のような外場だけではなく、光の振動電場や振動磁場に対しても応答する。この効果は光学的電気磁気効果と呼ばれ、光の入射方向の反転によって光吸収が変化する方向二色性や、屈折率が変化する方向複屈折が現れる。本研究では強磁性強誘電体であるボラサイト化合物を対象として方向二色性の検出を行い、磁性イオン、磁気構造、強誘電性、結晶学的分域構造との関連性を調べることを目的として研究を行った。 ボラサイト化合物は強誘電転移と同時に結晶構造も変化する。この時に光学的異方性も変化するため、光学応答の詳細を理解するためには分域構造をそろえる必要がある。本研究では主にCo3B7O13I、Ni3B7O13I、Cr3B7O13Cl、およびCu3B7O13Clの単結晶育成に成功した。Co3B7O13I、Ni3B7O13Iにおいては低温で強誘電転移および磁気転移するが、この時の方向二色性について調べた結果、磁化と対応して吸収強度が変化することが分かった。Cr3B7O13ClおよびCu3B7O13Clに対しては室温付近で強誘電転移することから、電場および応力を加えることによる単分域化を試み、電場のみでは単分域化しないことが分かった。
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Research Products
(2 results)