2015 Fiscal Year Research-status Report
帰納法アプローチによるシミュレーションデータからの物性予測と解釈
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26800203
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Research Institution | Yamanashi Eiwa College |
Principal Investigator |
杉山 歩 山梨英和大学, 人間文化学部, 准教授 (20586606)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 第一原理計算 / BNO / データマイニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではマテリアルズインフォマティクスにより膨大な金属の組み合わせの中から関連性を発見する手法の開発を目的としている。本目的は計算科学を物性シミュレーションによるナノマテリアルの物性評価から各種機能に応じたナノマテリアルの設計に役立てるためである。本年度は半導体材料として用いられるビスマスニオブ酸化物(BNO)の物性の予測と類似金属酸化物の特定のために第一原理計算とデータマイニング手法を用いた研究を行った。 まず研究に使用したデータベースの構築にはABO型パイロクロア構造のうちA,B原子を核としたパイロクロア型金属錯体(6配位)分子48種(A-site:29種,B-site:19種)に対して第一原理計算を行い、その計算結果から中心金属原子(I)と配位原子のうち平面方向の原子のうちの1つ(II)の電化、結合長、その他の物理パラメーターによるデータベースの構築を行った。また、既知のデータベースからも同様に配意結合長のデータの追加を行った。構築されたデータベースから教師無し学習法による分類を行った。分類の結果、I-II-O錯体が大きく2つのタイプへの分類に成功した。この2つの分類の物理的特徴に関する考察にはシャロンイオン半径との密接な関係性がある事が確かめられた。本研究成果は2015年12月に開催されたTHE INTERNATIONAL CHEMICAL CONGRESS OFPACIFIC BASIN SOCIETIES 2015において報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
地域連携活動に対するエフォートを年度始めにはそれほど大きく想定していなかったが、COC+の取り組みが本格化し、COC+担当教員としてのエフォートが想像以上に大きく、研究活動を行う時間が少なくなったため。ただし、データベース作成に関しては概ね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は当初想定していた研究計画の最終年度にあたる。前年度までの進捗が当初の想定に比べ遅れており、昨年度の到達目標であったグラフ表現による物理解釈が達成できていない。今年度はまず昨年度の結果からグラフ表現による解釈を行う予定である。また、昨年度の結果からシミュレーションデータからの分類が既知のデータと同様の傾向が示す事が示されている。今年度は当初の計画にある通り、物理ハンドブック等にある物性情報を利用し、シミュレーションデータによるデータベースの実証性についての検証を行い、本研究のまとめと総括を行う予定である。
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Research Products
(1 results)