2014 Fiscal Year Research-status Report
可視から中赤外領域にスペクトルを持つ狭線幅光周波数コムの開発
Project/Area Number |
26800217
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
大久保 章 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究員 (30635800)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 光周波数コム / 超短パルスレーザー / 周波数メトロロジ / 非線形波長変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、光周波数コムを導波路型PPLN素子で効率良く波長変換できるように、偏波保持型・高速制御型光コムオシレーターの開発を行った。 当初の計画では、モード同期機構に非線形偏波回転を用い、出力光だけ偏波保持となるオシレーターを製作する予定であった。加えて、オシレーターを較正する光ファイバーに加わる擾乱が加わった場合にもモード同期が堅牢になることを狙い、非線形ループミラー型のオシレーターの開発も行うことにした。 現段階では、非線形ループミラー型オシレーターの共振器を構築しレーザー発振は確認できたがモード同期には至っていない。原因としては、共振器内の分散調整が十分でないと考えられる。 非線形偏波回転型オシレーターについては材料を準備し終えた段階で、今後ファイバー部品の融着に着手する。こちらは既に製作したことのあるタイプのオシレーターなので、それほど時間を要せずに製作を終える予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新たに、非線形ループミラー型の光コムオシレーターの開発に取り組んでいたため、偏波保持出力のオシレーターの製作がやや遅れている。このタイプのオシレーター製作は初めてであり、まずはバルクの光学素子を並べてオシレーターを構築したため、複雑な光路調整が必要である。また、偏波保持ファイバーの分散特性についての情報が少ないため、最適な分散値を探すのに時間を要している。 今後は非線形ループミラー型の開発を一度保留とし、当初計画していた非線形偏波回転型オシレーターの製作を優先して行うことにする。
|
Strategy for Future Research Activity |
まずは、速やかに非線形偏波型のオシレータを製作する。 その後、光アンプ用の部品を調達し、光アンプの製作およびコムスペクトルの広帯域化に取り掛かる。広帯域化にあたっては、光アンプでのゲインや分散補償の最適値を探る。 広帯域化を達成後、f-2f干渉計およびCWレーザーとのビート干渉計を構築し、オフセット周波数とビート周波数を検出する。検出した信号の基準信号への位相同期を試み、製作したコムの高速制御を確認する。 余力があれば、非線形ループミラー型のオシレータの製作も並行して進める。モード同期に至らない原因としては、オシレータを構成するファイバーがすべて異常分散であり、モード同期に適した分散になっていないことが有力である。そこで、正常分散を持つ偏波保持型エルビウム添加ファイバの導入を検討している。
|
Causes of Carryover |
物品購入時の値引きが大きく、当初計画よりも支出が抑えられた結果、端数が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
ファイバー部品や光学素子などの消耗品費として使用する予定である。
|