2016 Fiscal Year Annual Research Report
Spontaneous motion and deformation of active matters: toward understanding of cell motility
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26800219
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
義永 那津人 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 准教授 (90548835)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アクティブマター / ソフトマター / 細胞運動 / 流体力学 / 非線形ダイナミックス / 非平衡物理 |
Outline of Annual Research Achievements |
化学反応によって液滴から濃度場を生成する、あるいは消費する液滴は、この反応が等方的であっても自発的に対称性を破って運動する。この自己駆動液滴は、界面活性剤などによって表面張力を変化させる化学物質が液滴から溶け出すことによって、周囲に濃度分布を形成することによって実現する。我々は、この現象のモデルとして、液滴にソース項を持つ濃度場のダイナミックスと流体力学との結合によって、化学反応の反応速度を大きくしたり粘性を下げることによって、一つの液滴の周りの濃度場が対称性を破って一方向に運動することを明らかにしてきた。本年度は、液滴が生成する濃度場が相互作用によってゆがむことを理論的に計算し、また液滴が作り出す流れの影響と比較し解析を行った。その結果、濃度場のダイナミックスと流体方程式から、二つの液滴の縮約された運動方程式を導出することができた。自発運動液滴のアクティビティの無次元量の符号が二つの液滴で同じ場合には液滴は反発し、逆の場合には引力が生じる。これは、双方の液滴が、化学物質を生成している、あるいは両方とも消費している場合には斥力が生じ、片方が生成、もう片方が化学物質を消費する場合には引力相互作用することを示している。この結果はJournal of Fluid Mechanics誌に掲載済みである。また、Phase-Fieldモデルを用いて、液滴の界面をシャープだが連続的な場で表現し、濃度場と流体力学と結合させた数値計算を行った。解析的な計算と比較することによって半定量的によい一致を得ている。理論と数値計算のどちらの結果でも、正面衝突の場合には、上記で述べた二種類の相互作用では、濃度場の重なりによる相互作用が支配的であることを示している。しかし、斜めから衝突では、流体効果を取り入れた場合にのみ強い配向の効果が数値計算で見られるなど、今後解析を続けるべき課題も見つかっている。
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Research Products
(16 results)