2014 Fiscal Year Research-status Report
海底地震磁力計の実用化-海底ハイブリッド観測に向けて-
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26800234
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中東 和夫 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (90709346)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 海底磁力計 / 海底地震計 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本列島は世界でも有数の密度で地震観測点が設置されており、大量の地震データが収録されている。また、近年では海底地震計を用いた観測も日本周辺で実施されている。一方、海域において電磁気的調査は地震観測ほどには行われていない。電気伝導度構造を地震波速度構造と同程度の解像度で明らかにすることは地震発生と流体の関係など、地震発生メカニズムを考察をするうえでも重要な知見となる。そこで小型海底磁力計を製作し、地震・磁力データの同時観測の実用化を目指し本研究を実施する。 現在実施されている海底磁力観測では、観測機器を耐圧容器に入れ観測を実施している。近年、海底磁力観測で使用されている耐圧容器入りの磁力計を海底地震計に取り付けた地震磁力同時観測が試みられている。しかし、大学・研究機関で最も使用されているタイプの海底地震計に取り付けるには、現行の観測機器では耐圧容器が大きすぎるため多点観測は行われていない。そこで、本研究では海底地震計にも取り付けが容易なサイズの小型海底磁力計を製作する。 本年度は既存の海底磁力計のレコーダ部の再検討を行った。その結果、最新式のA/D変換器・CPU等を採用することにより省電力化が可能であることがわかった。また、近年のテクノロジーの進化に伴い、各部品の小型化が進み磁力計の小型化も可能であることがわかった。そこで、それらの部品を使用し試験回路を作成した。現在は試験回路のランニングテストを実施中である。省電力化を実現することは、磁力計の小型化を実現すると共に、長期磁力観測を実施する上でも重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型A/D変換器・CPUの入手に予定より時間がかかり、当初計画よりやや遅れていたが、現在磁力計の小型化に目処がつき、レコーダのランニングテストを実施中である。今後はランニングテストの結果を踏まえ、小型磁力計の製作を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、新型小型磁力計のランニングテストを開始した。今後平成27年10月を目処に新型磁力計を製作予定である。ランニングテストと同時に新型小型磁力計を入れる耐圧容器の海底地震計への取り付け方法の検討などを行い海底地震磁力計の実用化を目指す。
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Causes of Carryover |
新型磁力計の開発は試験回路を作成し、現在ランニングテストを企業と共同し実施している。これまで新規CPU購入、試験回路作成などに費用がかかっている。しかし、企業への材料費などの支払はすべてのテストが終わった段階で行うことで合意している。そこで、今年度の使用額が少なくなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度には平成26年から継続しているランニングテストが終了し、新型磁力計を製作予定である。そこで、平成27年度はテストで使用した費用・磁力計製作代金などの平成26年度に支払っていない部分を含めた代金の支出を予定している。
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