2015 Fiscal Year Annual Research Report
海底地震磁力計の実用化-海底ハイブリッド観測に向けて-
Project/Area Number |
26800234
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
中東 和夫 神戸大学, 学内共同利用施設等, 助教 (90709346)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 小型海底磁力計 / 深海曳航型磁力観測 / 地球内部構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は新型の小型磁力計用レコーダーを製作した。このレコーダーの消費電流は3.8Vにおいて7.5mAである。新型レコーダーの小型化と省電力化により、直径5cmの小型耐圧容器を用いた1年間の長期観測を可能とした。新型レコーダーが実際の解析に耐えうるデータを取得可能か評価することは重要である。しかし、研究室周辺にはさまざまな磁場発生源があり、磁力計用レコーダーの評価を行う事は難しい。そこで新たに開発した小型磁力計の性能評価を行うために、既存の海底観測用磁力計と海上および深海曳航式のプロトン磁力計との比較同時観測を行った。 観測は2016年1月にインド洋で実施された海洋研究開発機構所属の学術研究船「白鳳丸」KH15-5次航海を利用した。磁力観測は中央インド洋海嶺の南緯18度付近のマリーセレストトランスフォーム断層を横切る測線で実施した。新型磁力計と他の磁力計で得られた全磁力データを比較すると、新型磁力計はノイズレベルも低く、今後の解析にも十分な精度でデータを取得出来ることがわかった。また各観測機器で得られたデータは現在解析中であるが、海上プロトン磁力計と深海曳航体で得られた全磁力データを比較すると、深海曳航体で得られた全磁力データでは、より短周期の磁力変動を記録していることがわかった。これは海上観測のみでは捉えることの出来ない、海底下の小さな磁化構造変化を反映していると考えられる。今回の観測により新型レコーダーが十分な性能と信頼性を有することを確認した。
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