2015 Fiscal Year Annual Research Report
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26800241
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
風早 竜之介 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 活断層・火山研究部門, 研究員 (50637379)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 火山学 / 火山ガス / 噴火活動推移予測 / ブルカノ式噴火 / 噴火準備過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
火山噴火準備過程(特に火山ガス放出と火山体体積・圧力の変化)を明らかにする事を目的として,火山ガスと地球物理観測量の比較研究を実施した.火山ガスと火山体の体積変化を伴う長周期地震の関係を定量化し,火山ガスが長周期地震を励起する事を示した.この関係性を用いて,浅間山にて噴火前兆的に長周期地震の励起される率が増加している事を見出した.また,火山ガス放出によって引き起こされる火山体内の体積収縮量の定量方法を確立した.火山ガス観測データと地殻変動データを相補的に解析する事により,火山ガス放出によって大幅な火山体収縮(減圧)が起こる事を明らかにした.これらの成果により,地震・地殻変動といった物理観測現象を実際のマグマ・火山ガスの挙動によって定量的にモデリングする事が可能となった. 桜島火山において火山ガス放出量観測を実施し,火山噴火活動に伴う火山ガス放出量変動を捉えた.また,得られた火山ガスおよび地殻変動データを解析した. その結果,噴火前の火山ガス放出量減少と地殻変動量の間に相関が見られた.この結果は,噴火前に火道内に火山ガスが蓄積する事によって山体膨張が生ずる事を示唆している.これらの観測結果を元に桜島のブルカノ式噴火準備過程を火道狭窄・火山ガス蓄積によってモデリングした. 2014年の御嶽山噴火及び2015年の口永良部島の緊急噴火対応のため,当初の予定よりも火山ガス観測実施に遅れが生じ,2015年度中に論文の投稿を済ませる事は出来なかったが,研究内容は既に論文としてまとめ終わっており,6月初旬を目処に Geophysical Research Lettersへと投稿する所存である.
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Research Products
(2 results)