2016 Fiscal Year Annual Research Report
Role of atmospheric gravity wave and tropical convection in long-term variation of stratospheric general circulation
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26800252
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
小玉 知央 国立研究開発法人海洋研究開発機構, ビッグデータ活用予測プロジェクトチーム, ユニットリーダー (90598939)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 全球非静力学中層大気モデル / 大気大循環 / 大気重力波 / 国際研究者交流(ドイツ) |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、これまでに得られたhigh-top版の高解像度全球非静力学モデルNICAMの解析結果を成層圏・対流圏の力学結合の国際会議であるDynVAR workshopで発表した。ここで国際的なモデル比較の枠組みであるCMIP6 DynVARへの参加を表明し、出力変数の準備を開始することでNICAM長期気候実験における成層圏力学の解析のための環境整備を進めた。並行してこれまでの成果をまとめる論文執筆を開始した。JpGU meetingにおいて高解像度シミュレーションに関するセッションを共同提案するとともに、熱帯対流を含む全球降水系のモデリングについて研究会を開催することで議論を喚起した。MPI-M(ドイツ)との相互訪問、およびCFMIP meetingへの参加を通じて、対流起源の大気重力波や対流集中化(aggregation)などのモデル研究について情報を収集した。 研究期間全体を通じて、high-top版NICAMの実験環境を構築し、最高で水平7km、鉛直300mという全球高解像度実験を実施したことは大きな前進である。得られた結果について基本場およびEPフラックス、エネルギースペクトルといった波の解析を行い、高解像度化によって大気重力波が適切に解像され、東西風の再現性も向上することが明らかになった。研究を通じて水平・鉛直解像度をより高めた短期積分に焦点を移したため、研究開始当初の目的であった将来変化については今後の課題であるが、本研究を通じてCMIP6 DynVARへの参加を決定するなど、今後のhigh-top版NICAMを用いた長期気候実験に向けて一定の道筋をつけることができた。また、high-top版NICAMの数値不安定についてはある程度低減できたが、実験設定だけでなく抜本的なコードの見直しを行うことで、引き続き計算の安定化をはかる必要がある。
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Research Products
(7 results)