2015 Fiscal Year Research-status Report
長周期ミランコビッチサイクルに伴う炭素循環動態の解読
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26800266
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
池田 昌之 静岡大学, 理学部, 助教 (10635882)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 日射量変動 / 炭素循環 / シリカ循環 / 大量絶滅 / 海洋無酸素事変 / 火山活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,三畳紀〜ジュラ紀の日射量変動や火山活動が、気候変動や物質循環、特に大陸風化等のシリカ循環や炭素循環、海洋無酸素化、海洋酸性化、生物生産,そして生態系動態や大量絶滅に与えた影響について、日本や欧米の深海層、浅海層、陸成層の堆積学的、地球化学的検討を行った。その結果,三畳紀末絶滅時期の火成活動と深海酸性化については、従来Abrajevitch et al. (2015)で推定された絶滅直前の約10万年に及ぶ深海酸性化の証拠と考えられた磁性鉱物特性の変化は、XAFSを用いた鉄鉱物量比変動を定量した結果、大量絶滅と同時、ないしその直後に起きた深海酸性化によって堆積物中の磁性鉱物特性が溶出した、という可能性を指摘した。また、岡田ほか(2015)として行われた元素組成分析結果からも大量絶滅と中央大西洋巨大火成区の玄武岩起源の風成塵の供給が増加した可能性が支持された.これらの結果の一部は、Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecologyに掲載された.また、ジュラ紀中期の日射量変動が、海洋貧酸素化や生物生産,氷床量変動に与えた影響についても、同誌にて現在査読中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は、岩石粉砕装置を新たに購入して、化学分析の前処理を迅速に行うことが可能になった。また、これまでの地質学的検討に加え、新たに大気海洋物質循環モデルの知見を共同研究者と取り入れることによって、さらに定量的に物質循環の評価を行うことができた。さらに,各種同位体地球化学的な分析を共同研究者らと開始し、より精密で多角的な検討を進めることが可能になった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度主に進めてきた日本の深海層の各種同位体比分析を進めることによって、中生代の日射量変動と火山活動がシリカ循環や炭素循環、海洋無酸素事変、生物生産,大量絶滅に与えた影響について、検討する。さらに,日本の深海層の高解像度解析結果から得られた知見、仮説を欧米の浅海層、陸成層にて検証し,その全球的な影響、時空間分布を定量的に解明する計画である.
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Holocene geohazard events on the southern Izu Peninsula, central Japan (first title; Geohazard events during Holocene on the southern Izu Peninsula, central Japan)2015
Author(s)
Akihisa Kitamura, Yoko Ohashi, Hidemi Ishibashi, Yosuke Miyairi, Yusuke Yokoyama, Ryoya Ikuta, Yasuhiro Ito, Masayuki Ikeda, Taketo Shimano
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Journal Title
Quaternary International
Volume: 397
Pages: 725-733
DOI
Peer Reviewed
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