2016 Fiscal Year Annual Research Report
Carbon cycle dynamics paced by the long-period Milankovitch cycle
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26800266
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
池田 昌之 静岡大学, 理学部, 助教 (10635882)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ミランコビッチサイクル / 炭素循環 / 深海チャート / 湖成層 / 堆積リズム / モンスーン / 物質循環 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度に引き続き、ミランコビッチサイクルが気候変化や物質循環、特に大陸風化等のシリカ循環に連動した炭素循環、生物生産、海洋溶存酸素濃度、海洋酸性化、および生態系動態に与えた影響について、日本や欧米、ニュージーランドの深海層、浅海層、陸成層の堆積学的、地球化学的検討を行いました。その結果、中生代のミランコビッチ・サイクルが、気候変化を介して全球の大陸風化に影響していたことを明らかにしました。大陸風化は、地質学的時間スケールで大気中のCO2濃度ひいては気候を制御する重要な要素ですが、地質時代における変動要因については議論が続いてきました。我々は、深海チャートから生物源シリカ(SiO2)の堆積速度を復元し、それが全球の大陸風化速度の指標となる可能性を示しました。また、その結果は共同研究者と解析した物質循環モデルGEOCARBSULFvolcからも支持されました。さらに、地質記録は、大陸風化がミランコビッチ・サイクルに伴う日射量変化よりも大きな振幅で変化したことを示しており、その原因として、当時存在した超大陸パンゲアで発生した大規模な大気循環「メガ・モンスーン※5」が寄与した可能性を指摘しました。この結果は、温暖な中生代における地球システムの応答を解明する上で重要な成果であり、Nature Communications誌に受理されました。また、ジュラ紀中期のミランコビッチサイクルが、生物生産量/砕屑物供給量や海洋貧酸素化、氷床量変動に伴う海水準変動に与えた影響について、Palaeogeography, Palaeoclimatology, Palaeoecologyに掲載されました。
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Research Products
(14 results)
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[Presentation] Emergence and evolution of millennial-scale variability in the East Asian summer monsoon over the last 3 Ma recorded in hemipelagic sediments of the Japan Sea recovered by IODP Expedition 3462016
Author(s)
Tada, R., Irino, T., Ikeda, M., Ikehara, K., Karasuda, A., Lu, S., Seki, A., Sugisaki, S., Itaki, T., Sagawa, T., Kubota, Y., Xuan, C., Murray, R. W., Zarikan, C. A. & Exp.346.Scientists.
Organizer
AGU Fall meeting 2016
Place of Presentation
San Francisco, U.S.A.
Year and Date
2016-12-15
Int'l Joint Research
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[Presentation] Exp.346 U1430地点における中期中新世サイクル層序の確立とXRFスキャナーを用いた古海洋変動復元.2016
Author(s)
黒川駿介, 多田隆治, Lofi J, 入野智久, 池田昌之, Giosan L, 関有沙, 村山雅史, 松崎琢也, 板木拓也 ,上栗伸一,
Organizer
日本地球惑星科学連合2016年大会
Place of Presentation
幕張メッセ(千葉県千葉市)
Year and Date
2016-05-22
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