2015 Fiscal Year Annual Research Report
希土類錯体を用いる重合反応の生成物選択性に関する理論的研究
Project/Area Number |
26810005
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
畑中 美穂 近畿大学, 理工学部, 助教 (80616011)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 自動反応経路探索 / 希土類触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
自動反応経路探索(GRRM)の一つ、人工力誘起反応(AFIR)法を用いることで、希土類錯体触媒を用いる重合反応の反応機構を調べると共に、立体選択性やレジオ選択性を決める遷移状態を網羅的に探索することで、選択性が発現する機構を調べることを目的とした。 まず、AFIR法を用いる反応経路の探索では、人工力の定義の仕方によって、探索できる反応経路や、複数の反応物質間の初期相対配置の自由度が制限されてしまう場合がある。特に、配向が異なる反応中間体や遷移状態を網羅的に探索する場合、人工力のかけ方を変えることで、得られる結果にどのような影響が見られるか、注意する必要がある。 平成26年に引き続き取り組んだイッテルビウム錯体を用いるイソプレンの重合反応の場合は、結合を生成する原子間、及び、結合が解離する原子間の両方に人工力をかけることではじめて、主生成物だけでなく、比較的安定な副生成物に至る反応経路についても網羅的に探索することができた。しかし、人工力を加える原子間ペアの数が多くなったために、反応物と触媒系の初期配置が比較的固定されてしまい、異なる配向を持つ構造についても網羅的に探索できたかどうかは、疑問が残った。また、得られた反応経路の障壁が予想以上に大きかったことから、反応系中に含める添加物の個数や、反応系中に含まれる他の分子の影響について、引き続き検討する必要があることが分かった。反応系に含まれる添加物の個数を変えることで反応障壁に変化が現れるか、現在検討中である。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] The ONIOM Method and its Applications2015
Author(s)
L.W. Chung, W.M.C. Sameera, R. Ramozzi, A.J. Page, M. Hatanaka, G.P. Petrova, T. Harris, X. Li, Z. Ke, F. Liu, H.-B. Li, L. Ding, K. Morokuma
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Journal Title
Chem. Rev.
Volume: 115
Pages: 5678-5796
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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