2015 Fiscal Year Annual Research Report
リン原子を効果的に利用した非平面ホスト分子の開発と曲面炭素材料との超分子複合化
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26810015
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| Research Institution | University of Tsukuba |
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Principal Investigator |
山村 正樹 筑波大学, 数理物質系, 講師 (40524426)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | リン原子 / 分子認識 / 曲面分子 / フラーレン |
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| Outline of Annual Research Achievements |
曲面構造をもつ化合物は、曲面炭素材料であるフラーレンやカーボンナノチューブのホスト分子として興味が持たれている。本研究では、リン原子を組み込んだ曲面ホスト分子の開発と曲面炭素材料との超分子複合化に挑戦した。昨年度までに、リン原子を１つ有する曲面ホスト分子の合成とフラーレンとのホストゲスト錯体の形成に成功している。
本年度は、曲面ホスト分子のリン原子上の置換基効果に着目して、様々な置換基を有する誘導体を開発した。置換基の効果は曲面構造に大きな影響を与えることがわかった。置換基とリン原子の結合の共有結合性が大きくなる程、曲面はより浅くなることを明らかにした。また、浅い構造のホスト分子とフラーレンとの共結晶はホスト：ゲスト＝4：1のキラル正四面体型になるのに対し、深い構造のホスト分子のホスト分子とフラーレンとの共結晶はホスト：ゲスト＝2：1のアキラルカゴ型になるという違いが見られた。このようにリン原子上の化学修飾という簡単な手法で、ホストとしての機能を制御できるという重要な知見を得た。
また、リン原子を1つから2つに拡張した新規ホスト分子を開発した。研究当初期待した通り、リン原子の数を増やすことでホスト分子の表面積が広がり、ホスト分子とフラーレンとの共結晶を作成するとホスト：ゲスト＝2：1のサンドイッチ構造となった。結晶化の際の溶媒を種々変えることで、様々な結晶が得られたが、いずれもサンドイッチ構造となった。ただし、フラーレンを挟み込む２つのホスト分子の配向には違いが見られ、様々な形態のサンドイッチ構造を取るという興味深い知見が得られた。
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